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【考察】名作「マブラヴ」との出逢いと、この作品がどの層から受け入れられやすいのか【体験談】


1.はじめに

こんにちは、初の執筆となります。
本記事はマブラヴ未プレイの方にも楽しめるように、というかほとんど布教の目的で書かせて頂いております。本筋に関わるネタバレは伏せた内容となっていますが、ほんの僅かに部分的に「マブラヴ」のネタバレに触れた内容も書いていますので、苦手な方はブラウザバック推奨です。

2.出逢い

僕はアニメや漫画を見ること・読むことが好きなどこにでもいるオタクです。強いて言うならば普段はカードゲームに取り憑かれたオタクといったところでしょうか。
しかし、僕にも苦手とする分野がありました。

それがエロゲーです。

これまで沼にハマればとことん浸かりまくる生き方ばかりをしていましたが、故に異文化交流を避けてきました。恥ずかしながら皆が「名作」と謳う作品も、実は知らなかったことがほとんどです。そのため成人してから知り合った同年代からは、よく話についていけないとドラゴンボールさながらの話題インフレに置いてけぼりを喰らう傍観するヤムチャ、または五条悟と漏瑚の戦闘を傍観するだけの虎杖悠仁でした。(シュタゲは社会人になった4年前にプレイしました。牧瀬紅莉栖愛してる。)

これはPC媒体で不利を受けて来た学生時代が影響していると思います。PCが我が家に来たのは僕が中学3年生頃!しかも家族兼用!(弟は堂々とゆずソフトのゲームやってました)愛するFate/stay nightへの童貞も全年齢版に捧げました。対戦ありがとうございました。
あとは文章読むのが得意ではなかったんでしょうね。昔はライトノベルとかも抵抗なく読めましたが、立ち仕事や移動がほぼ運転、空いた時間はソシャゲかYouTubeを見ている時間が多い今は紙の読書は苦手です。中学生の頃は読書の時間と称してバカとテストと召喚獣を陽キャに「エロ本かよ〜」とニヤニヤとイジられていたのも今となっては良い思い出です。しみじみ。

そんなオタクとしては半端者のまま早25歳を迎えようとしています。最近30代目前の趣味仲間達からは「25歳を越えたら、30歳まで一瞬」と自身への嘆きなのか説教なのかよくわからない小言を言われます。

仕事もとっくに新人の枠を外れ、中堅年数になり、おそらく今が私生活ともに最も落ち着いたタイミングだろう...まだフットワークが軽いうちに何かを世に残したい、または自分の心に残したい。そんなチャレンジ精神も自分の中に残っていたことに驚きです。

そんな頃に、あの名作の映像化が始まります





それは....









ツカ-ミ-ト-レ-!

はい、マブラヴオルタネイティブのアニメ化です
進撃の巨人の作者が強く影響を受けた作品であることからも、存在は知っていました。

高校時代の友人が熱弁していたことを思い出し、気になっていたのですが、ネックなのはプレイ時間

既にほとんどの方がご存知だと思いますが、エクストラ編(ギャルゲールート)とアンリミテッド編(異世界転移後のルート)、更にアンリミテッド編の死に戻り後の続編となるマブラヴ・オルタネイティブを控えており、総プレイは40時間にも匹敵するとの噂を聞いていました。

始めれば面白いのは百も承知、しかしそのハードルは高く、ましてや15年以上前の濃厚豚無双ラーメン海苔トッピングも顔負けなコテコテ濃厚なギャルゲーをプレイする前提ではありませんか。うっひょ〜!
今まで自分がプレイを避けていた原因がまさにこれでした。
そしてもう一つの転機が訪れます。それはsteamの半額セールです。
天啓かと思いました…

一旦冷静に、実家暮らしでそろそろいい歳だし、仕事環境も落ち着いてまとまった時間で趣味に打ち込むことが出来る様になりました。今後結婚や新しい資格に挑戦するなんて事をよくよく考えると今以上に時間がとれることなんてないのでは?

神「やれ」

僕「はい」

この天啓に従います。おそらくこれを逃せば今後一生プレイすることから逃げ続ける。そう直感し、気がつけばインストールへ赴いていました。

3.プレイ感想

始めは無論エクストラ編!舞台は横浜で暮らす平凡な高校生:白銀武と毎朝起こしに来る幼馴染:鑑純夏達との生活に世界的財閥のお嬢様:御剣冥夜が転がり込んで来る…みたいな王道の恋愛シュミレーションパートです。
自分は傲慢で欲張りな性格なので、コンテンツへの衝撃を一から百まで浴びるため、一切の妥協はしません。

このへちょ絵が可愛い

前言撤回です。15年前のギャルゲーを全ヒロインのルートを今からやるにしても、最初は色々な意味で厳しさがありました。友人Mから、最低限純夏と冥夜だけクリアすればオルタネイティブまでついていけるという助言に甘えました。キャラゲー要素はまた後日。


一文字鷹嘴(cv.子安武人)のネタは面白かったです
出る時だけBGMがちゃんと変わるのがずるい

とは言いつつもなんだかんだで楽しめました。鑑純夏が可愛かったです。

そしてアンリミテッド編へ。ここからは一気に、雰囲気が変わります。場面はいつものタケルちゃんの部屋から始まりますが、その世界はBETAという宇宙人からの侵略を受け、人口か6分の1まで減少させられた世界でした。タケルちゃんは元の世界への戻り方を探しながら、ロボット(戦術機)に乗るパイロット(衛士)として訓練を受けることになるが、そこでは元居た世界のヒロイン達もその世界の住民として訓練を受けていて…という導入から始まる異世界転移ですね。
アンリミ最序盤のタケルちゃんはエクストラ編のノリから出発するのでそこまでシリアスさは伝わってきません。
徐々に明かされるが最後まで分からないBETAへの疑問、オルタネイティブ計画とは何か、そして鑑純夏がこの世界にいない理由と社霞とは…
思っていたよりめちゃくちゃ疑問を残して続編へと繋がるのですね。しかも人類敗北エンドだし。
これは後から知ったのですが、リアルタイムで追っていた衛士達は実際にこのエンディングからオルタネイティブまで3年も待たされていたんですね。こんなに待たされたらモヤモヤで狂うわ…

進捗の都度、友人Mに報告していました。
最早日課になるくらい楽しかったです。


そしてお待ちかね

テ-テテテ-テテテ-テテテ-テテ
テ-テテテ-テテッダンダンダンダン
\タ-チ-アガ-レ-ケダカ-クマ-エ-/

JAM projectはどれだけ歳を重ねて聴いても良いですね。この前未来への咆哮をパート分けして歌ったらめちゃめちゃ盛り上がって、無事喉壊しました。

プレイしてから気づいたのは、思っていたよりロボット(戦術機)の活躍シーンが少ないですね。主人公たちの初陣もBETAじゃないんかい!ってなりましたし。まあ訓練兵上がりだからしょうがないですけど。BETAの設定もデタラメに強いのでスパロボ向きではないです。
導入部分だけ死に戻り設定なので、同じイベントをRTAみたいにタケルちゃんが攻略していくので退屈なんですけど、徐々にタケルちゃんが最善手を取り続けることで、未来が変わっていきます。
今回はそういう内容ではないので、ネタバレを含む内容は伏せます。ただ、感想としてはエピソード7の例のシーンを見たのが日付が変わった0時でした。次の日も朝7時起きなので、そろそろ寝ないと仕事に支障が出そうですが、動悸が治りません。寝る前に夢にも出て来そうなトラウマシーンが最後に見るものなんていやだーッ!と1部の石仮面でイタズラをして死にかけたディオ様みたいな思考でした。
ふと時計をチラ見してから、なんと続行の判断!2時までは区切りを見つけてプレイを終わらせようと決め込みました。

その後、精神ブラクラみたいなショッキングな画像は出てこなくなりましたが、怒涛のメンタルを抉られるイベント続きに終わるに終われず…タイムリミットをややオーバーした3時になってから流石にまずいと判断し就寝。出勤してからもマブラヴのその後の展開が気になりすぎて、案の定支障が出ました。帰宅してから飯も忘れ、飛びつくようにゲームに没頭したのは小学校の頃買ってもらったポケモンFRで冒険していた時振りでしょうか。

怖いもの見たさという言葉が
これ程までしっくりくる体験も久しぶりでした。

この時、既にドン底で詰みのタケルちゃんですが、ある人物を救うために再び立ち上がります。ここは涙無しには見られませんでした。背中を押してくれる上官や大人達の姿にも震え、次々と退場する仲間たちに揺さぶられ、終いにはある人物への凄惨な仕打ち…BETAへの憎しみが募るばかり。
基本一本道のノベルゲームであったことが救いで、もし選択肢があるゲームだったら何度Dead endになりタイガー道場にぶち込まれていたかわかりません。

タイガーの言う通りである(キートン山田風)

無事プレイを終えることが出来ました。涙が出る前にマウスに触れる手が震えてしょうがなかったです。通常プレイでは見られないタイトル画面が現れるのですが、しばらくBGMと一緒に時間が流れてからポロポロと涙が出てきました。感情がリアルタイムに追いつきません。
おそらくこれまで触れて来た作品の中で、最も感情を揺さぶられ続けたのは間違いないです。プレイ前とプレイ後では心の豊かさが明らかに違います。アンリミの冥夜から台詞を借りると「大切なのはそこに人の意志があるか(一言一句は覚えていませんが、近いことは言っていたと思います)」という言葉の意味を本気で考えさせられました。オルタでは度々この冥夜の信念が、武を苦悩させながらも鼓舞する出来事が起こります。いざ自分がその立場になったとき、本当に出来るのか、最後の最後まで武はその決断に迫られました。数えきれない葛藤と決断の重さ故に、主人公の白銀武には成りきれないけど、白銀武には共感できるという表現が正しいような気がします。

わかる人にはわかってほしい


4.どんな人に向いているのか

長い前置きで失礼しました。ここからが記事の本題です。
長い戦いを終えて、マブラヴ、マブラヴ・オルタネイティブともに例外なくほぼ全ての人にプレイして頂きたいのは本心です。
しかし、自分自身がかつてそうであったように、存在は進撃の巨人繋がりで知っていながらも「プレイ時間が長すぎる」「15年前のギャルゲーからやるのはキツい」「外伝作品がめちゃくちゃあるんでしょ?」という声が挙がるのも仕方がないことです。実際に自分の周りで聞いた声でした。それでもお勧めしたい、特にこんな人に向いているであろうというプレゼンをさせて頂きたいです。

この作品に触れる前、「何で興味を持ったか」「どんな人に勧めたいか」は色々あると思います。これは主観ですが、僕の中で決定的に3つの大きな入り口があると思うので、まずはそれを紹介させてください。

尚、あくまで「マブラヴ」「マブラヴ・オルタネイティブ」を時系列順に両方プレイすることを推奨したいので、部分的なプレイには向かないと思っています。
また、現在進行形でアニメもやっていますが、未プレイの方にはお勧めしません。といっても自分が視聴するのはこれからですが、結構ダイジェスト風に進めているみたいなので…。この記事書き終えたらぼちぼちアニメも追いかけ始めるつもりです。

①恋愛シュミレーションが好き
そもそも1作目のジャンルが恋愛シュミレーションゲームなので当然でしょう。しかし、甘々なギャルゲーを期待してオルタネイティブまでプレイを続けた結果、数多くの凄惨なイベントによってエクストラ編とのギャップに嘔吐間違いありません。個人的には相当な覚悟が無ければプレイ続行も難しい入り口であるため、このタイプの人には気軽な気持ちで勧められないです。

②ロボット、SFが好き
これは大きいでしょう。特にロボット(戦術機)は立体化にも力を入れているので、一番の売りでもあると思います。
しかし、前述した様にロボットの活躍シーンは正直言ってかなり遅いです。加えて、ガンダムのようなSF要素というよりは、かなり根底からあるミリタリー色のが以外と強かったのが驚きでした。ここら辺の入り口は結構お勧めですが、豚無双ラーメンの様なエロゲーにハードルが高いと思われたり、バリバリ活躍するロボットを期待していると案外拍子抜けと思われないか心配なので、過度に勧めたりはしません。

③ループ物、大きな伏線の回収が好き
これが個人的にかなりのお勧めです。
ジャンルはまるで違いますが、近年で言うなら「魔法少女まどかマギカ」「Ever 17(全然近年じゃない)」「科学アドベンチャーシリーズ」等が好きな方は、マブラヴを僕と同じくらいの熱量を保って最後までプレイできると思います。
また、登場人物の積み重ねた経験がそのまま伏線や戦う理由となっているので、時間をかければかけるほど感情移入が自然となります。逆に言えば、この過程を少しでも疎かにすると、オルタネイティブへの感情の起伏が緩慢になってしまいかねません。
散りばめられた伏線を回収しながら、謎が解明した頃には後には戻れないような体験がしたい方は、マブラヴという作品を今すぐプレイしてください。ほんとに脳汁が出ます。プレイ時間に見合った体験をあなたに与えてくれることを保証します。時間に余裕のある方は是非。



5.最後に

僕自身、他人に勧められた物を積極的に受け入れられない性格をしているばかりに、後から作品を知って損をした経験をしてきました。その癖は治っておらず、名作なのに今後の人生で自分が手に取ることなく埋もれていく作品がほとんどでしょう。つまり僕は、現在進行形で損をしています。
また、自分の勧めた作品が相手に対して温度差が違っていたため、いまいちな感想を受けたことも多々ありました。故に、今でも自分の好きな作品を布教することに恐れがあります。

それでもマブラヴという作品に出逢ったからには、この感動を共有したいと思えました。進撃の巨人の作者をはじめ、多くのクリエイターがこの作品に影響を受けたのも納得です。白銀武とともに人類存亡をかけてBETAと戦えたことを誇りに思います。

話は変わりますが、以前勧めてもらったブルーロックは
めちゃくちゃ面白かったです。単行本一気に買いました。
教えてくれたNさんありがとうございました。

現在、オルタネイティブのエンディングを見て2週間が経とうとしています。友人Mからは色んな外伝を勧められますが、白銀武の物語を終えた余韻でとてもじゃありませんが次に進むことが出来ていません。次はトータルイクリプスをアニメから視聴しようと考えていますが、その日がいつになることやら…

最後にこの記事を読んで、少しでも面白そうと感じてプレイを考えてくれた方にこの言葉を送ります。


ようし、その意気だ!地獄へようこそ、新任少尉殿