愛され条件。

太った。痩せねばと100回言いながら、暴飲暴食を100回繰り返す。旦那さんに「痩せないと嫌いになる?」と聞いたら「嫌いにはならないけど、そのままの私を愛してとも言わないでね」と言われて勢いよく「……!!」と返した。何も返せなかった。

相手に私を好きでいてもらうための絶対条件がある。好きでいてもらうための努力を見せ続けること。

と言っても、痩せるとか、可愛いメイクを覚えるとか、寿限無をフルで言えるようになるとか、そういう大掛かりなことではなくて、相手に敬意を払い続けるとか、見下したものの言い方をしないとか、今楽しいか不快かを頻繁に聞くとか、尻の間に顔を挟みに言って怒られるとか、そういうことなんだと思う。怒られるよねそりゃね。

疲れてくると本当にこういうことができなくなっていく。寝てないとか、お腹が空いているとか、生理前とか。そんなささいな理由で今まで積み重ねてきた敬意ごとパーになることがある。

旦那さんも疲れて、私も疲れていたとき、二人の間にはたくさんの沈黙が流れた。話をしようと思っても、相手の話を聞く余裕はなくて、今は冗談の1つも聞き流せないかも、という精神状態。

だから、ウカツに喋りだして失言をぶっこんでしまうぐらいなら、相手を傷付けないよう話さない方がマシ、と双方の気遣いの結果、大層息苦しい、沈黙だけの空間が出来上がっていた。

それがしんどくなってしまって、「嫌いになったのではないけど、疲れている状況をお互い改善しないと、気遣い合って黙り続けてたら、すれ違って離婚してしまうよ」という話を旦那さんにして泣いた。

疲れ切っているって本当に相手に割けるエネルギーがない。疲れ切らないための方法は、ちゃんと考えなくてはならない。

旦那さんは運動を始めることにした。メンタルを切り替えてから家に帰ることに。私も誘われたけどとりあえず今取り組んでることが一段落したら、ということで落ち着いた。 


意外にも、「帰っても、家で旦那さんが疲れている」とは思っても、「家に帰りたくない」とは思わなかった。旦那さんが疲れている顔を見るのはキツくても、旦那さんのことは好き、は、両立するんだなぁと瀕死の顔で考えていた。

余力がある内しか改善方法は考えられない。今回は余力がなかったので泣きながら伝えてしまったけど、話せば関係を改善させようと動いてくれる旦那さんあっての良い夫婦関係だなと思った。

不憫な旦那さんに全額寄付します。