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栗はお好き?

栗が好きだ。栗の和菓子も栗の洋菓子も栗系かき氷も好きだ。ので栗好きを自認していた。
マロンも好きだが、"和栗"の響きには胸がときめく。

そんな栗好きを自認する私が密かに究極の栗菓子と思っていたのが、長野県、小布施に本店がある栗菓子屋さん、小布施堂さんの朱雀なるものだ。
毎秋、期間限定でお店に並んで買ったり、予約して食せるものなので、私の中の究極の栗菓子ステータスに朱雀は延々と座り続けていた。
ともかく小布施にフィジカルに行かないとダメだし、きちんと予約を取るか朝から並ばないと行けないので基本行き当たりばったり人生の私にはそれなりにハードルが高かった。

昨年の秋はモンブラン巡りをした。栗で有名な茨城県の笠間にまで足を伸ばしたりもした。(昔、娘がわざわざ、私の誕生日にモンブラン発祥のケーキ屋さんでモンブラン買ってきてくれたこともあったりしたなぁ。)なんやかんやでそのシーズン二十個くらい食べた。で思った、モンブランのメインはそこまで栗やマロンじゃない。栗やマロンのクリームの下にはホイップやらメレンゲやらがいて、数食べる程、底上げされている感が強くなってしまった。(実際はそういうことではなく、トータルでモンブランなのだが…)。
益々私の中での朱雀の神格化が進んだ。

が、今年の秋、予約取れた。それも誕生日に。

予約した日から当日まで、2か月程あり、秋になると続々と登場するXXアイスのマロン味やYYクッキーの和栗版など、やめりゃあいいのに片っ端から手を伸ばしながら、求めているものと違うとか思いながらその日を待った。

予約したのは、悩んだものの、欲張り、ある意味フルコースの朱雀のコース。

欲張りです。

栗ごはんは塩味がとてもいい具合で、栗もホクホク。ただ栗の茶巾絞りがですねー大人味。渋いんです(味も含め)。ん?これが栗?ってちょっと思いました、はい。

で大トリ、きましたあああぁぁぁぁー朱雀登場!

どど〜ん!

ひゃーって感じで一口。
ん?甘さがほぼない、ザ栗だ!これが栗だ!
そう甘さはほぼなく、渋みさえ感じる。中にはくりあん、あんこの層が。だが圧倒的な栗層があんこ層を凌駕する。これは一体なんだ!?進んでも進んでも栗層が続く!断面が壮絶栗層!

あんこ層が隠れてしまうくらいの圧倒的栗層!

栗、マロン以外で底上げされているモンブランが頭をよぎり、今まで自分が好きだと言っていた栗やマロンは一体なんなのか!?頭が混乱する。どう食べても私の口を満たしているのはストレートすぎる栗であり、私が好き❤️❤️❤️とか騒いでいたものとはほぼ別物だったからだ。

まーこれは私の予習不足だったのだが、"栗の点心朱雀"は"採れたての新栗を蒸して裏ごししたものを、砂糖も何も加えずに、そのまま栗あんの上にふわりと盛"ったものだったのだ。
「栗好きとか言ってるが、本当かぁ?」と試されているような衝撃体験と言っても過言ではない。

朱雀とは別におぶせ焼き栗なるものも食べた。見た目も味も肉厚で、非常にストイックな味だ。ホクホクだが、凛とした感じだ。そして気付いた。"甘栗"は何故"わざわざ甘"がついているのかを。

焼き栗も

これをまとめている間に以前小布施堂さんのモンブランも食したことも思い出した。
羽田空港に小布施堂さんの店があり素通りできず、飛行機に持ち込み、栗の大福と共に食べたのだ。やっぱ違うね〜なんて言いながら。

小布施堂さんのモンブランと栗大福@羽田空港

朱雀を体験できてよかった。浮かれた私に喝を入れてくれた感がある。栗に対する軽すぎるノリに水をぶっかけ冷静にさせてくれた気がする。

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