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『生殖の海』 2022年版 第十章「我が暴れ川」

割引あり


『生殖の海』 2022版 第十章「我が暴れ川」

この子を産んで身二つになったら、伊那を出てゆこう。

井伊亀之丞せふ きぬ


世のなかの憂さもつらさも暴れ川とゞまることはなしやうたかた

恋をしつひと夜ふた夜の慰みにきつと去るべきひとにかれて

くおそくぬべき秋ぞ来たりけるをぎかぜくずの裏風よいさ

暴れ川しぶきをなしてくだりゆくひとの涙を我れは忘れじ

夕暮れはひとにつらなる川に立つもとの流れにあらぬ世のなか

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