『生殖の海』 2022年版 第八章「水底の死」
割引あり
『生殖の海』 2022版 第八章「水底の死」
なべて世はかりそめに寝る草枕結べば消ゆるうたかたの夢
うつゝとは夢まぼろしのあはひにてまことゝ紛ふ幻のうち
きのふ見し花をけふ又見むとかはうつるならひの世にありながら
さしかゝる夕日の影のうつろひに暗さほの増す散りがたの花
なべてみなひともゆかりも水底に入るてふ夢を見き起きながら
こはさだめ我が世の果てと立ちひとはものゝふとして生き去りにけり
悲しとも憂しとも見えぬ夕暮れに風ぞつれなきおなじ声する
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