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『生殖の海』 2023年版 終章「ひかりを添へて」

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『生殖の海』 2023年版 終章「ひかりを添へて」

花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟のあと見ゆるまで

宮内卿


春霞結べばとくるあかつきの空にほのめくさゞなみのいろ

咲き盛る花のきらきらこぼれ来るひとゝきの春よひとゝきであれ

修羅の道を思へばとほく来たりけりなべてあはれと見ゆるほどまで

朝も夜も比良の山より影ふりて舟の分けゆく春のしかばね

浅き夜のおぼろ月夜の花のもとにかくれつゝゆく春の肉体

肉体のへに十重とへはたへはなびらぞ積み積む花のしかばねとして

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