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雑感:平等とオペレーション~コロナウイルスワクチン抜け駆け接種報道を例に~

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 全国の自治体では医療従事者から徐々に高齢者へのコロナウイルスのワクチン接種が動いているところですが、全国各地でこんな報道が見受けられます。

 愛知県西尾市の例はお金が絡めば贈収賄チックな話に発展する可能性があるという言及に留めますが、兵庫県茨城県岐阜県の例は一部メディアはこれを抜け駆け接種と称して批判していますが、少々違和感を感じる側面があり、今回はこれを題材に書いてみたいと思います。

1.オペレーション構築

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 埼玉県戸田市では、コロナワクチンもったいないバンク(上記画像)という名称で当日万が一予約していた人がなんらかの理由でワクチン接種できなかった場合にワクチンロスを最小限にするためのオペレーションを構築しています。この戸田市の例みたいに万が一を想定したオペレーションを構築していれば今回のような事態を生まなかったのではないか?という疑問を私は抱いています。今回、モデルケースとして取り上げてみた茨城・兵庫・岐阜の市町のホームページを見ても万が一余ってしまった場合におけるオペレーションについてのページはありませんでした。

 新型コロナウイルスに無症状だけど陽性反応があるという特性を鑑みた時、当日の体温が新型コロナウイルスの1つの目安である37.5℃以上の体温を示した場合、ワクチン接種どころではない状況になることは想定できます。杉野幹人氏の著書『使える経営学』の中で紹介されている「選択肢」のアンラーニングを行い、平等と効率だけでなくロスの可能性を考慮に入れた選択肢(オペレーション)の構築と選択をしていくのが大事だというのが如実に表れているなという印象を持ちました。

2.前提知識の共有

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 上記画像は厚生労働省が行った新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保に係る自治体説明会(第2回)の資料の一部となります。今回問題視されているワクチンロスの要素となっているのが、資料15ページの6番にある再冷凍せず6時間以内に接種してくださいという文言です。この1文だけ見ても、ワクチンが生物であることを物語っているなによりの証拠です。このような観点から見ても、コロナウイルスワクチンのロスを最小限にするためのオペレーション構築はひつようであると同時に、前提条件を国民全体で共有することの大切さが求められるのではないかと思います。これに関しては、コロナワクチンを担当する河野太郎大臣の腕の見せ所なのかもしれません。

3.平等の前提条件は堂々と

 兵庫県のケースと茨城県のケースにおいて、町長は次のように理由を述べています。

「キャンセル分が出るとワクチンを廃棄するので、活用するために受けた。町長として危機管理を担う立場で、病院の開設者ということもあり、ルール違反ではないと思った」(兵庫県神河町.山名宗悟町長)

「医療従事者が接種を受けるのは当たり前」(茨城県城里町.上遠野修町長)

 両者に共通するのは、自身が医療従事者という定義に該当するという前提です。厚生労働省のホームページによると、医療従事者の定義として次のように(下図)述べられています。

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 これを読む限りにおいて町長(首長)を医療従事者という枠に当てはめることが果たして適切なのか?という疑問があります。そう考えた時、岐阜県のケースみたいに廃棄するのを避けたかったからと堂々と断言することが、ワクチン接種に平等性を担保する過程における予想外への対処法なのかもしれません。下手に理由をこじつけたりまどろっこしいプロセスを経る事が、かえって住民に行政内部において上層部へ忖度を図ったのではないか?という疑念をもたらせてしまうのではないかと思います。

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