外野から突っ込んでみた大阪都構想

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで

 時節柄、どうもフォーカスが当たりにくい大阪都構想の住民投票が目前まで迫っていますね。私自身は大阪市民ではないため、部外者的な立場ですが、MBSテレビとABCテレビで放送された討論会がYouTubeの公式チャンネルにそれぞれ挙がっていました。

 これを見て思うところ含めて雑感をまとめてみたいと思います。

1.ざっくりと捉えてみるそもそも大阪都構想とは?

 まずはそもそも論として大阪都構想って何?というところを見てみます。大阪都と聞いて、大阪府が東京都みたいな位置づけになるの?と思う方もいるかもしれませんが、東京に特別区と呼ばれる23の区(渋谷区,新宿区,足立区,江東区 等)がありますが、こういうような区を大阪市を4つの特別区に分けようという話です。

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 多少見ずらいかもしれませんが、上記の図は大阪未来の構想というシンクタンクが第9回大都市制度(特別区設置)協議会(大阪府)の資料を基に作成した都道府県・政令市・中核市・一般市町村の役割分担の図です。緑線で囲まれたエリアが特別区23区(東京都)で実際に管掌している部分で、赤線で囲まれたエリアが大阪都構想実現の際に設置される予定となっている特別区4区が管掌する部分、白色のエリアは大阪府が管掌する部分を示しています。ご覧いただいて分かるように、東京で設置している特別区が管掌しない領域まで手を伸ばしている部分を見ると、一概に東京の特別区のようなイメージとして結びつけることは難しいようです。

 前置きはこの辺にして、次の段落へいきます。

2.議論を見ていて思う疑問(大阪都構想で見えている時間軸はどこなのか)

 賛成派の維新の会・公明党は、今回の住民投票で大阪市内有権者に問いたいのは法定協議会で決定した骨組みに対してみなさんどうですか?という事で、この骨組みに対してYESの回答だった場合はその先で設置される特別区の区長や区議会で判断することという未来の時間軸で語っている印象を持ちました。一方で、反対派の自民党・共産党は法定協議会で決定した骨組み自体がコストカットに伴う効率化を前提とした骨組みなためコストカットが設置される特別区にて即座に行われるのではないか?という今という時間軸で反対をしている印象を持ちました。

 例えば、特別区設置に伴う庁舎の改修一つとっても賛成派は現状使われている庁舎をベースにして今後設置される特別区における議論の中で庁舎を回収するかどうかを判断したらいいと言っている一方、反対派は特別区の設置=即座に新たな庁舎が必要(耐震補強含めて)という視点でコストがかかると言っています。これを見るだけでも、未来の時間軸と今という時間軸がぶつかっているため妥協点を見出すことは無理です。

 松井一郎大阪市長(大阪維新の会代表)は、民主主義国家において賛成や反対に大きな影響をもたらすのは選挙だから、万が一首長や議会の過半数が自分にとって反対の立場の人たちだらけならその人をなぎ倒せば良いと討論会の中で言っています。言っていることはそうなのですが、仕組みとして進めやすくするために一時期は野党となりましが今現在国政与党として存在する自民党と接点を持っていますよね?という突っ込みができます。行政学が専門の大阪大学准教授砂原庸介の著書『民主主義の条件』の中で、意思決定プロセスに自民党の存在が見え隠れする場面は少なからずあり、自分たち(自民党)を応援してくれたら優先的に補助金を分配するよという関係性が地方自治における意思決定プロセスには見え隠れすると指摘しています。(引用:pp140~141)こう考えたとき、仮に設置された特別区4区の首長並びに議会の過半数が自民党との結びつきが濃くない政治団体だった場合まともな運営ができるのか?という部分も含めて、未来にという時間軸で議論をするならば考える必要があるのではないかという疑問です。

3.議論を見ていて思う疑問(骨組みの弱点を突っ込むだけが全てではないと思うけど)

 政令市の住所で見かける区(行政区)という住所(例:大阪市中央区)における区長は、平成26年5月交付の地方自治法改正前までは極端に表現するとただのお飾りでその政令市で働く職員さんがジョブローテーションのプロセスの過程で着くという感じでした。しかし、平成26年5月交付の地方自治法の改正でこの行政区に代わって総合区の設置が認められるようになりました。

 大阪市副首都推進局で発表している総合区・特別区(新たな⼤都市制度)に関する意⾒募集・説明会資料によると、総合区の立ち位置としては行政区と同じ市の内部組織ですが、特別職の公務員という扱いとなるため、議会の同意を得て市長が選任という仕組みとなります。つまり、役所の公務員がジョブローテーションのプロセスの過程で着任したみたいなノリの話ではないという事です。そして、行政区としての区長は市長の権限に属する事務のうち条例で定めるものを区役所が分掌し区長が補助執行するという市政のサポート的な役割ですが、総合区における区長には行政区としての区長の役割だけでなく、総合区の政策・企画の立案・総合区のまちづくり等の事務・市長の権限に属する事務のうち、条例で定めるものを市を代表して執行する権限を持ちます。故に、人事では区役所職員の任免権を持ち、予算では市長への予算意見具申権を持ちます。また、総合区の区長は首長や議会議員と同じく特別職の公務員という位置づけとなるためリコール(解職)請求ができる権利を住民は持っています。

 反対派の意見を聞いていると、単に政令指定都市という形そのものを維持したい・守りたいという色合いが強い印象を持つんですよね。上述したように、地方自治法の改正で政令市における区の区長を特別職公務員という形式で議会の承認を経るというステップを組み込める仕組みがあるため、特別区の設置に反対なら総合区と比較してどうなのか?的な視点も組み込む作戦もあるのではないかと思います。大阪府・大阪市の構図において、維新の会の首長と議会構成において第一党となってから見た目的には荒療治な側面はありますが、ある一定程度の効果はあったと数字並びに実感として感じている印象を覚えました。

 上記の動画は、YouTubeに挙がっていました一回目の大阪都構想住民投票へ向けての街頭演説の場面で、小学生が当時の大阪市長兼大阪維新の会代表の橋下徹氏に対して質問をした場面です。この中で小学生は安心して遊べる公園(橋下氏:おじさんがいっぱいとか?小学生:うん→ホームレスが講演を寝床にしているからホームレスに襲われる怖さからくる危険性?と推察)を作ってほしいとお願いをしました。

 もう一本の動画は、橋下氏の引退によって大阪W選挙となった時に一本目の動画で登場した小学生が公園ありがとうと大きな声で叫んでくれたことをきっかけとして話している場面です。これだけ見ても、少なからず荒療治のようにも見えますが好転した形跡はありました。

 反対派に今一つ感を感じるのは、より綿密な分析は必要だけれども少なからず維新の会が大阪府・大阪市において隆盛を極めてある程度の実績ができた自信からくる骨組みに対してツッコミをするだけが全てではないでしょ?という部分ですね。

4.最後に

 今回の大阪都構想の住民投票を巡って、一部報道にて本来の趣旨は大阪市を4つの特別区に区分けする話を4つの市に区分けすると実際よりコスト高になるのではないかという報道に対して大阪市財政局が抗議するような流れになるなど、一進一退な泥仕合チックな流れになりつつありますが、どう判断されるか?という側面において、個人的には賛成派の意見を聞いたうえで分からな部分を突っ込み(質問)しまくる方が分りやすいかもしれません。

 外野からワーキャー言ってきましたが、みなさんはどうおもいますか?

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