コロナの怖がり方 2.オンライン面接

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで

 コロナの怖がり方第2弾!今回はコロナを契機に盛んになりつつあるオンライン面接についてです。

 コロナウィルスがもたらした社会・経済に対しての影響やダメージはいたるところで目立ち、雇用もその一つです。

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  上記の図は総務省統計局「労働力調査(基本集計)」を基に労働政策研究・研修機構がグラフ化したものです。 ( https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c03.html#c03-1 )ご覧いただいてもわかるように、2019年の段階では触れていなかった男女合計200万人の線へ触れそうになっています。これを見ても、コロナが雇用環境に与えている影響は少なからずあります。今回はそこを言及しませんが、コロナウィルスがもたらした変化の一つであるオンライン面接について言及してみます。

 オンライン面接とは文字通りオンライン上で行う面接の方式で、使われるアプリケーションの代表例としてZOOM,LINE,SOKUMEN等があります。パソコンやスマホ等インターネットと接続できる媒体があれば利用可能で、私も求職者として何度かオンライン面接を経験しましたが、いろんな発見がありました。

 まず1つはオンライン形式も従来の対面形式の面接とそんなに大差がないということです。相手の顔を見るのはカメラを媒介とした画面越しなだけであって、後は通常の面接ということで会社の空気感に飲み込まれることなく落ち着いてコミュニケーションを取りやすいというメリットがあると思いました。私も、オンライン面接にあたっては上だけワイシャツにネクタイという姿で下は寝間着で臨む場面が多かったです。(笑)。

 2つ目は選考過程で実際の社風を感じ取れる場面が少なくなるということです。下図は2020年9月2日付の日本経済新聞で、『採用学』で有名な神戸大学服部泰宏准教授が「冗長性」をキーワードにオンライン採用について書いた論考です。ここでいう冗長性とは、簡潔に言うと偶発・偶然を意味しています。

 新卒・転職問わず多くの求職者は最初に自分が望む理想の会社像があると思います。そこへ自分が入社できなかった時、何かをきっかけにして見つけた求人を見て、自分がその求人内に書いてある内容の琴線のどれかに触れた時、その偶発を形にしていく過程で実際の社風を知るうえで訪問する必要はあると思います。また、その冗長性は求人サイトがシステマティックに引く導線だけでなく、知り合いの口伝や新卒であればキャリアセンターに寄せられる求人とその大学の結びつきから知りえる事柄等、細分化することで冗長性は採用の中へ多分にちりばめられていることが分かります。それがオンラインへ置き換わることで実際に目にしないと分からない側面を知る機会が削がれてしまい、オンライン化でも冗長性を担保する流れへの是非についてが注目となっていると服部准教授は記事内で指摘しています。

 しかし、それは求職者サイドの工夫の仕方次第で具現化できたり早期に触れた選択肢を放棄する選択を取るのが適切なのかもしれないという判断が可能だと思います。キャリア理論の古典的理論であるクランボルツの計画的偶発性理論によると、豊かな人生を手に入れるための5つの習慣として、好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心を挙げていて、これがちゃんと保たれていることでいつでも新しい自分が見つかり磨かれるということです。(『クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方』著:海老原嗣生 pp44~47)つまりなにがしかの琴線に触れたからこそその企業・求人へ大なり小なり興味(好奇心)を持ち、その興味を持続させて働くことができるかどうかという点で気になる要素を相手側へ質問(柔軟性)します。そこで万が一、相手側の心証に影響があって万が一不採用となったとしても、その会社はそこまでの会社だったんだと踏ん切り(楽観性)、また新しい琴線探しの旅に出かける(冒険心)。今盛んになりつつあるこのオンライン面接1つとっても、コロナの影響で是が非でも取引先と真正面からコミュニケーションを必要とすることへの必然性が疑問視される中で、新たな要素へ飛び込む勇気がその会社にあるのかどうかを測る指標の一つでもあるのと同時に、実際なにがしかの琴線に触れたから応募してみようというきっかけに対して相対する面接担当者から湧き上がる採用という組織編成に関わる事柄への熱心さは対面で会おうがオンラインで会おうがその辺の感じ方に齟齬はないのではないかと私自身の体験から思うところがあります。もちろん、賛否が分かれる側面ではあると思いますが冗長性の代替として自ら応募先の会社の担当者と相対する場面において積極性が求められるのがオンライン面接なんだと思いました。

20200902日経新聞

 巷では、オンライン環境における上座下座のマナーや服装といった訳の分からない事柄を吹聴する人たちもいますが、最低限カメラを介して写す自分自身の周りに生活感を表す要素を排するぐらいで十分だと思います。それぐらい、オンラインによるコミュニケーションが与える大きさはでかく、今後の流れにも注視してみたいと思います。

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