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【clear dependence】

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ゆっくりと急展開するBL小説。 どうでもいい未来だけ視える青年と、勝手に欺瞞を見出せる青年の恋愛を模索します。
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記事一覧

ⅵ,告白

夕間の車は見るからに高級そうなそれで、車種について碌々知らない朝陽でも多少ドギマギした。
害意のなさそうな笑顔に急かされて助手席のシートに座り、シートベルトを締める。

「安全運転よろしく」

巫山戯て敬礼しつつ、そこはかとなく不安そうな朝陽に向かってにっこり微笑んだ夕間は、コツコツとハンドルを叩いてみせる。

「安心して。これでも運転は得意なんだ」

「そうか」

すんなり信

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ⅴ,秘密

時間の流れが遅くなればいい、とそう思えるような、そういう穏やかな空間に朝陽はいた。
少しの沈黙など何とも思わないらしい夕間が話を続ける。

「じゃあ、例えば普段、映画ってどんなの見る?」

完全にぐっと苦い塊を飲み下してしまってから朝陽は前を向いた。

「あんまり。有名どころしか知らない」

夕間は映画が好きなのだろうか。
朝陽の趣味といえば、和小物の収集であるとか甘味巡りであるとか

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ⅳ,離別

落ち込んだ暗い溜息が落ちる。それは何度も繰り返し繰り返し、飽きることなく続いていた。
構内の薄暗い木陰のベンチで、客観的にみて多少は肌寒くなってきた気候のことなど、まるで顧みずに俯いているのは津村朝陽その人である。
さっきのことを早く忘れたかった。いや、橋碕夕間とかいうあの同じ学部の青年に焦り過ぎた自分の無茶苦茶な捨て台詞を忘れて欲しいというのが正しい。

『文句あんなら四六時中見張ってやがれ』

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ⅲ,片恋

平凡な大学の構内の食堂には凄まじく人目を引くような二人組があった。一人は先程まで津村朝陽と言い争っていた橋碕夕間、もう一人は年齢不詳な雰囲気を漂わせる美女である。
キレのある美男美女コンビ。古今東西を探しまわってもこれほど似合いのペアはなかなかいないだろう。

「もうそろそろ、結構我慢の限界なんだ……」

夕間は食べ終わった皿を前に肘をついて、俯き加減に組んだ両手に額をのせた。これで周囲からそ

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ⅱ,観察

馴染みの道場もお休みで、久しぶりにのんびりと休みに休んだ日曜日はすぐに終わってしまった。
例の飲み会の翌々日は清々しい秋晴れの日である。
気後れを押し隠し、堂々と大学に来た彼は独り席に着いてつまらなくもない講義を黙々と聞いていた。

『興味ないんだ』

フッと記憶が落ちてくる。
悔しいので、何となく探る意思を持って周囲を見渡してみると、色々な人間が目に入る。講義などそっちのけでiPhone

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ⅰ,認識

紅葉した葉が肩にかかって地面に落ちていくのを茫洋とした視線で見送る。ひらりと暢気にしているようで、それはひどく掴まえにくい。
頭がはっきりしないでいるのはどうやらアルコールのせいだ。慣れないものを沢山呑まされたために身体が悲鳴をあげている。
向かっているのか、帰っているのかさえ曖昧であり、地を踏む感触も頼りない。一歩一歩がぐらりぐらりと地震のようだ。
気分の悪くなるようなことを言われたのはうっすら

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