noteの開始にあたって

 同志社大学スポーツ健康科学部 若原研究室では、noteを用いた学術的な情報発信を開始することにしました。2021年4月、博士後期課程(学振特別研究員 DC1)の大学院生として、川間君が当研究室に入室しました。川間君とディスカッションをする中で、根拠に基づく確かな情報を世の中に発信することの重要性について意見が一致し、noteの作成にチャレンジすることにしました。

 ウェブ上にはさまざまな情報があります。また、SNSの普及によって、発信される情報量が急激に増えています。ただし、それらの情報の中には、根拠に乏しい情報や誤った情報も少なくありません。一方で、しっかりとした科学的根拠に基づく情報であっても、氾濫する情報に埋もれてしまっている場合もあります。こうした状況の中で、根拠に基づく確かな情報を発信することの重要性が増していると強く感じます。そこで、学術誌に掲載された論文を根拠とし、できるだけ確かな情報の発信を、研究室の活動の一環として実施することにしました。

 学術誌に掲載された論文は、査読という過程を経たものです。査読とは、学術誌に投稿された論文を、当該分野の専門家(査読者、通常は2名以上)が審査する手続きです。学術誌の編集委員は、査読者による審査をもとに論文掲載の可否を決定します。そのため、内容が適切でないと判断された情報は学術誌に掲載されません。この点で、学術誌に掲載された論文は、一般的にウェブ上に掲載されている情報(SNSを含む)とは大きく異なります。もちろん、査読というプロセスも完璧ではなく、学術誌に掲載される情報が誤っている場合もあります。ですが、他者による評価・審査を全く受けていない情報よりは、はるかに確からしく、真実に近いでしょう。このnoteでは、学術誌に掲載された論文の中で、私たちが論文を評価し、価値があると判断した情報を発信します。

 当面は、私たちの研究室で対象としているヒトの骨格筋や腱、トレーニングに関する学術論文の中で、スポーツ選手の筋量の特徴筋量と運動パフォーマンスとの関連について調べた研究について発信していきたいと思います。この活動が軌道に乗れば、他のテーマにも広げていく可能性があります。このnoteが、アスリートや指導者・トレーナーなどスポーツの現場に携わる人や、スポーツ科学を志す人の役に立てば幸いです。

 noteでは記事を有料化することができますが、当研究室のnoteではすべての記事を無料です。また、読者からのサポート機能も使用しません。記事について、コメント等があればコメント欄への記入をお願いします。