鏡

私は左利きだ

最近はさほど珍しくない

昔付き合っていた彼も左利きだったし
体育のバトミントンダブルスでは
全員が左利きだった、なんてこともある

まあ、そんな話は置いておく

左利きは遺伝するか、と言われたら
確率は上がるけど遺伝するといい切れるような数字ではないらしい

私の娘は、今のところ右利きのようだ

そんな娘は、
最近私の口癖を真似したり
同じような仕草を見せることがある

頬杖をつきがちなところも
そのひとつだ


先日、娘と対面で座っていて
夫が私と娘を交互に見て驚いていた

どうしたのかと尋ねると

顔はもちろんなんだけど
頬杖ついてテレビ見てると鏡みたいだ

と言うのだ

私は左腕で
娘は右腕で
頬杖をついていた

親になったのだから言葉遣いを気をつけなさいとか
振る舞いをきちんとしなさいとか

そういう小言はうんざりしていたが
娘を見ていると
これはこのままではまずいな、と思う事が出てきた

子は、思っていたよりも
親をよく見ているものだ

思い返せば、
自分も母の真似をした記憶がある

私の幼少期の頃にそっくりの顔をした娘は
本当に鏡のような存在だなと思う

親に、娘とのエピソードを話すと
あんたもそうだったよと言われるし

もちろん、私と娘は全くの別人だが
私もこんなふうに親を困らせていたのか、とか
こんなことを考えていたのかな、とか
今までの人生を振り返るきっかけをくれたりする

これからどんどん色々な言葉を覚えていくだろう
そして、色んなことができるようになるだろう
そんな娘に
私はどう映るのか
親としてどんな姿を見せていくのか

それは娘を通して知ることになるかもしれないなと思った