あなたの短歌__2_

【あなたの短歌】新宿のまさひこさん

片瀬江ノ島行き列車の車窓から逆剥けたささくれ投げ捨てる朝


■家、ついてってイイですか?(明け方)公式サイト
放送を書き起こしたテキストが読めます。
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/smp/lifestyle/entry/2019/020247.html


まさひこさんは通称「たわしおじさん」と呼ばれている。たわしにリードを繋いで繁華街を散歩させているからだ。〇〇おじさん(おばさん)というのは、たまにいる。見ると幸運になるとか巷で言われている、あなたの街にもきっと1人くらいいるあれだ。こういう人が、なぜ〇〇おじさん(おばさん)として活動しているのか、正直今までよく分からなかったし面白いなとは思えど分かろうという気はなかった。

まさひこさんは、既成概念を壊したいのだそうだ。それに面白いと思う人だけが寄ってきてくれるというおまけもあるそうだ。つまり、心のままに振る舞うことで付き合いたくない人は自然と寄ってこないというわけ。一見奇妙に思える行動が実はすごく理にかなっていたことに感動をした。

まさひこさんの既成概念の壊し方はかなり突き抜けている。もうちょっと実践しやすい壊し方を模索して作った短歌が今回の短歌。平日の朝に会社に行かずに反対方向の電車に乗って、いつまでもブラブラくっついていたささくれをブチッとちぎって投げ捨てるような小さな心のままの行動。会社と反対方向の電車に乗るというのはかなり古典的な自分探しの方法だけど、実際に行動に起こした人は一体何人いるだろうか?やってみたいなーなんて笑っていないで本気でやってみたら、そのとき車窓からは何が見えるんだろう?

ちなみに、買い物袋をぶら下げる指先に実はリードが着いていてその先にたわしがついていたらどんな気分だろうと思って買い物帰りに想像してみたら、それはそれは清々しい清涼が心の中を吹き抜けていった。(実践はしていないの)

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