【国語】答案における具体例と「など」という表現の用い方:もりもとの場合

授業ふり返りのなかで《疑問》が出たので、これにお答えしようと思います。こういう形で《疑問》が提示されることは、私としてはとてもうれしく、またとてもウェルカムなことです(質問してくれた人、ありがとー!)。せっかく答えるならば、みなで共有したい&今後も活用できる形にしておきたいと思い、noteにまとめておきました。

疑問ツイート

《疑問》回答[解答]に「など」というのを入れても良いのか?(具体は全て書くか抽象にするべきでは?)‬

《回答》‬‪おっしゃるとおり、「など」「等」の表現は慎重に用いるべきです。私も普段そのようにしています。そのうえで、以下、私が普段文章を書く際に気をつけていることです。文章表現の問題なので、普遍的にこうすべきというのが決まっているわけではありませんが、参考になれば。

【原則】「など」「等」の表現は避ける。
【例外】抽象化された言葉のみで意図する対象を十分に伝えらず、かつ並列された具体例が多数にわたる場合、抽象的な説明に添えて代表的な具体例を1つ、2つ書き、これに「など」「等」を付す。

【例外】についての説明
普段の授業で述べているとおり、並列された具体例について正確な記述を心がけるならば、以下の対応になるでしょう。‬‪①全部書く(犬、猿、雉)‬‪②全部書かない(具体例を重視せず省略)‬‪③抽象化(桃太郎のお供)‬

ただ、抽象化された言葉のみで意図する対象を十分に伝えられない場合には、抽象的な説明と合わせて具体例を提示することがreader-friendlyな表現であると言えます。‬

このとき、並列された具体例が多数にわたると、すべての具体例を書くことで逆に読みにくくなることとあります。私の場合、このようなときは、代表的な具体例を1つ、2つ挙げることで、冗長な表現にならず、しかし達意の文となることを心がけています。‬

「代表性」というものもなかなか難しいのですが、常に意識しているのは「読み手に一意に伝わり、かつ端的な表現であること」です。国語の答案作成における記述の仕方を教条主義的な「公式」のように捉えるというよりは、読み手に届けるという判断基準で柔軟に対応する(※)ように心がけています。

※「柔軟に対応する[できる]」背景には、、膨大な「伝える→伝わらない→試行錯誤」の経験があります。私が授業でみなさんの答案と対話していは行為、またみなさんが私の答案読みと評価と対話している行為は、このような伝達の試行錯誤の経験を共有する場を提供することを意図しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?