『ちくま評論文の読み方』を活用するための問題用紙と動画

＠高校生
現在、私の授業で用いている『ちくま評論文の読み方』に基づいて私が作った問題用紙を公開します。本書を購入し、手元にある状態であることが条件になりますが、自宅学習が続くなか、国語の学習に不安を抱えている人のためになれば幸いです。

【問題用紙】
https://drive.google.com/drive/folders/1T1LOEaKdMSoR7PtgirMDL-ZBzV57MUYX?usp=sharing

【動画リスト】
https://www.youtube.com/playlist?list=PLgvndtN5KHSfFWTcGaemtdTcVnos431wF

ただし、現在作成中であり、私の本業・本分が研究であるため、ゆっくりしか作成できません。気長にお付き合いくださいませ。

＠先生・保護者等
この問題用紙と授業動画を活用してくださることについて、私からは特段の制限を設けないこととします（常識の範囲内でお願いします）。担当している子に勧めてくださるのも歓迎です。子どもと一緒に動画を視聴して、私の解説について批判的に検討してくださる等も活用の一例になるかと思います。稚拙な解説ではありますが、恥を忍んで動画を公開するくらいのことならばできるかなとの思いでやっています。

★留意点
ご使用になる場合は、元となる図書『ちくま評論文の読み方』の著者・編者への敬意と著作権への配慮のため、本書の購入を必須条件とします（使用者が各自1冊）。公開する問題用紙は、手元に本書がないと用をなさないものとなるように作っています。今、Amazonで見たら704円でしたので、それほど高額な本ではないですから、購入の負担も大きくはないかと思います。また、問題用紙の印刷は各自で必要になるので、そこは何卒ご容赦を。

■対象層
元となる図書＆動画で扱っている内容は、指示語の内容をとるもの、接続関係をとるもの等の基礎的な内容が主で、それに140字要約を追加しています。私の授業では高1～3生、既卒生を対象として用い、学年によって解説の難易度を変えて対応しています。

■動画の特徴
動画は派手さや見栄えを追求したものではなく、また動画視聴に先駆けて設問を解いておく必要があるので、利用するにはそれなりの根気を要します。「3分でわかる大学入試現代文」のようなものではなく、目の前のテクストと地味に格闘するタイプのものです。地味ですが、私が知る限り、テクストと向き合うというのはそういう営為です。

■元となる図書との違い
問題用紙という形で提示することについて、元となる図書（『ちくま評論文の読み方』）との違いは、①字数規定を設けていること、②一部の問いの形を変更していること、③140字要約を課していることです。私自身は字数規定なしで解くことに一定のこだわりをもっているタイプなので、元となる図書に字数規定がないことは尊重したい思いがあるのですが、中高生の自学自習となると、字数規定がある方がむしろ好都合なことも多いなと思い、このようにしています。理想としては各設問を分類・系統化したいのですが、そこまでは手が回っておりません。

また、当然ですが解説と解答は元となる図書のものと異なる場合があります。解答の提示に際しては、元となる図書の解答を「テキスト解答」、私の解答を「もりもと解答」とし、「解答例」として両者を併記しています。

■本書を選んだ理由
私が本書を選んだ理由は、比較的平易な語彙の文章を素材として、基本的な言語の操作（読み書きの際の留意点）を学ぶことに適していると考えているからです。教える者の所感で言うと、語彙もわからん、言語の操作もわからんとなると、学習者はとにかくしんどいです。外国語を学ぶときに、一行ごとにわからない単語があるうえに、各文の構造を把握することも同時に学ばないといけないというのがしんどいのと同じように。そういうしんどさが「フィーリング」で読み書きするという帰結を呼び込むのも想像に難くないところなので、平易な語彙と基本的な言語の操作の練習を両立している本書を選びました。

言語の操作について学ぶのであれば、語彙のレベルを下げて言語の操作のみに集中できるようにした方がよいと考えています。すでに身体化された母語という道具を用いて、かつ母語というものを対象として学ぶというのは、文章を読むこと、書くことを学ぶ際の大きな助けになるものであると同時に、大きな障壁になります。国語では自分の取り組みに対して、なかなか自覚的・意識的になりにくいものです。比較的平易な語彙の文章が集められている本書を用いることで、言語を操作する基本的な手続きを学ぶことに集中できればよいのではないかと思います。

■最後に
もし問題用紙や動画に不備や疑問点がございましたら、ツイッターのDMや動画コメントでご教示くださいますと幸いです。