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演説

 申し訳ないが……。
 私は大企業の社長になどなりたくない。
 私には関わりのないことだ。
 支配も征服も管理も指導もしたくない。
 できることなら周りの人間を助けたい。
 国籍や肌の色や職業や性別や身分や年齢や学歴にとらわれず……。

 私たちは本来、みんな助け合いたいはずなのだ。
 人間とはそもそもそういうものなのだ。
 周りの人々との幸福と寄り添いたいのだ……。

 憎み合ったり、見下し合ったりしたくはないのだ。

 全人類にとって、大地は豊かで、誰もに恵みを与えてくれる。音楽や文学もそうだ。人生は自由で美しい。

 しかし私たちは、いつのまにか本来の生き方を見失ってしまった。

 金と権力に対する欲が人々の魂を毒し……。  
 憎しみと共に世界を遮断し……。
 迫害や殺戮へと私たちを行進させた。

 私たちは速度を開発し手に入れた。
 その結果自分たち自身を孤立させてしまった。
 私たちはゆとりを与えてくれるはずだった機械により、逆に貧困を作り上げてしまった。
 知識は私たちをズル賢くし、知恵は私たちを冷淡で自己中心的にした。

 私たちは理屈で考え過ぎ、合理性に引っ張られるようになった。
 感性を失ってしまった。
 今の時代……あまりにも感性が足りなさ過ぎる。

 機械よりも人類愛が必要なのだ。
 賢さよりも、優しさや思いやりが必要なのだ。
 そういう感性がないままでは、世の中は暴力で満ち、いつの日か全てが失われてしまうにちがいない。

 飛行機やラジオやインターネットが、私たちの距離を縮めてくれた。
 そんな発明の本質的ない魂は、常に人間の良心に……つまり世界がひとつになることを呼びかけている。

 今も私の言葉はインターネットを介して、その気になれば世界中の何億もの人々のもとに届けることが可能である。

 何百万もの絶望した男性たち。
 小さな子供たち。
 人々を苦しめ吸い尽くす組織の犠牲者たち。
 冤罪をねつ造する役人。
 自分の利益のために罪のない人たちを投獄させる者たち。
 命を縮める商品を売り続ける者たち。

 私の声が聞こえている人たちに言う……。

 絶望してはいけない。
 私たちに覆いかぶさる不幸は単に過ぎ去る貪欲であり、人間の真の進歩を恐れる者たちの憎悪なのだ。

 憎しみは消え去り、支配者たちは死に絶えるであろう。
 貧しい人々から奪いとられた権力は、人々のもとに返されるだろう。
 決して人間が永遠に生きることができないように、決して自由が滅びることもない。

 政治家たちよ。
 獣たちに身を託してはいけない。
 君たちを利用し、踊らせ、この世界を操る者は、君たちが何をし、考え、感じるか……そこまで洗脳して誘導する。

 君たちを使い良心や正義を制限する者は、君たちを家畜として、ただの駒として扱うのだ。

 身を託してはいけない。
 そんな自然に反する者などに。
 機械人間……機械のマインドを持ち、機械の心を持ち、金と権力に染まった者などに。

 政治家たちよ、
 君たちは機械じゃない。
 君たちは家畜じゃない。
 君たちはまだ人間だ。
 心に人類愛を持った人間だ。
 憎んではいけない。
 愛されない者が憎むのだ。
 憎むのは、愛されず自然に反するものだけだ。

 政治家たちよ。
 奴隷を作るために闘うな。
 自由のために闘え。

『ルカによる福音書』の17章に、「神の国は人間の中にある」とある。
 ひとりの人間ではなく、一部の人間でもなく、全ての人間なのだ。
 君たちの中になんだ。
 君たちは力を持っているんだ。
 平和を作り上げる力、幸福を作る力を持っているんだ。
 君たちが持つ力が自由な世の中をつくり、人生を美しく素晴らしい冒険の場にするのだ。

 民主国家の名のもとに、その力を使おうではないか。

 皆でひとつになろう。
 新しい世界のために闘おう。
 常識ある世界のために。
 皆に雇用の機会を与えてくれ、君たちに未来を与えてくれ、老後に安定を与えてくれる世界のために。
 そして消費税のない世界にしよう。

 そんな約束をして、獣たちも権力を伸ばしてきた。
 しかし奴らは嘘つきだ。
 奴らは約束を果たさない。
 それは民主党だけではない。
 これからも果たしはしない。
 奴らは自分たちだけを自由にし、人々を奴隷化する。

 今こそ闘おう。
 約束を実現させるために闘おう。
 世界を自由にするために。
 国境のバリアをなくすため。
 欲望を失くし嫌悪と苦難を失くすために。
 理性のある世界のために闘おう。
 科学と進歩が全人類の幸福へ導いてくれる世界のために。
 そして消費税を消滅させるために……。

 私の周りにいる人たちよ。
 民主国家の名のもとに、皆でひとつになろう。
 そして私に資金援助をしよう。
 ここ2、3ヶ月。
 私は資金繰りがとても厳しいのだ。
 そこんとこ、ヨロシク。

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