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笑う芸人

 私が子供の頃、今と違い、人並みにテレビを見ていたのですが、子供ながらに、ホントに林家三平 がつまらく思えて仕方がありませんでした。

 わざとらしい喋り方で、頭に拳をあてながら客に笑いを強要し……いったいこの人には芸があるのだろうか? どうしてこんな人がテレビのお笑いに出れるのだろうか?
 常にそう感じていました。

 先日YouTubeで古い動画をチェックしましたが、やっぱり、今見てもまったく面白くありません。

 そういえば、いつの時代からお笑いの人が笑うようになったのでしょうか?

 そもそもテレビ側が笑うというと、「奥様は魔女」で、スタジオの客の笑い声をわざとオンエアしたことを思い出します。

「奥様は魔女」の場合は外国の番組の吹き替えだったので文化の違いもあり、笑うツボがなかなか当時の日本人にはわかりづらかったのでしょう。だから笑いどころをフォローするためにわざとそうしたのではないかと私は推測しています。

 芸の途中、自分で笑ってしまうのは、アホの坂田 がそうでした。 自分でギャグをやりながら照れるのか何かはようわかりませんが、とにかくしきりに崩れてしまいます。
 が、アホの坂田 の場合は、それも含めて存在が別格なので、たとえば非常に痺れる場面で阪神の川藤が空振り三振するような、関西人からの許しがありました。

 お笑いでパッと思いつくのは、国が違いますが、やはり チャップリン と、キートンです。
 キートンは無表情を貫くし、チャップリンが自分の芸で自分が笑うってなことは、ありえんかったと思います。
 国内では、藤山寛美、博多淡海、伴淳三郎、

 もちろん役柄としての笑顔と自滅の笑いは別物です。

 それに比べて、今の芸人の笑うこと笑うこと。
 アホのさんまを始め、両手を叩いて、床を叩いて……。
 時にはその笑いがゲストや相方のしゃべりをかき消すことさえあります。ダウンタウンも、よう笑う。

 テレビはそもそもアホらしくて見ませんが、ネットの動画でたまにあがってきます。
 ホンマに仕事を舐めてるやつは腹たちます。

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