将来の供給と将来の需要のマッチング

フューチャーデザイン」という本を読みました。今後将来世代の観点を取り入れた制度設計は重要になってくると思います。
不動産市場に関連した「フューチャーデザイン」的な制度設計は何か、と考えたときに基本的には将来世代が使いたくなるような何かを提供していくことにあるのかな、と思います。
日本の住宅市場は「スクラップアンドビルド」が多く、古き良い建物でも「相続」などのタイミングで壊されて登記分割されて新しい住宅が建てられるケースが多いかと思いますが、それは次の世代にも「スクラップアンドビルド」を暗黙的に要請しているように感じます。街には一定の新陳代謝が必要とはいえ、「相続」で街が疲弊して街のブランドを作れていないようなケースも多いように見受けられます。
あまり指摘されませんが、URの減損損失が毎年1000億円単位なのも気になります(賃料収入5000億円も凄いですが)。URの会計処理は減価償却の耐用年数を70年としているかと思いますが、昔の家賃設定が安すぎたツケを今のUR利用者(70万戸!)の賃料から払っている、ような印象です(独立行政法人の会計処理に詳しい方いたら教えて下さい)。もしこの理解が正しいならば、昔の世代がもう少し制度設計をしっかりしていたら、今のUR利用者はもっと安い賃料で住めているのかもしれません。

https://www.ur-net.go.jp/aboutus/ir/jni4dd0000005hhy-att/jni4dd0000005hkk.pdf

スイスでの年金機構が保有している公営団地の建て替えをそこに住んでいる人たちが反対するという事例は少し示唆的な気がしました。
日本の国債は50年満期が最長だと思いますが、URの新築団地が資金調達に70年債を発行して、それを年金機構が買うようなことはあるでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=HNu_iMptSCQ&ab_channel=%E6%97%A5%E3%83%86%E3%83%ACNEWS

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Shiryo/2023ron20-11.pdf/$File/2023ron20-11.pdf


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