不動産に於ける継承的取引

空き家問題、過疎地の増加などなど日本の不動産市場は新しい局面を迎えている気がします。
空き家に関しては一定の経済変動で生じうるものだし、実態を正確に把握した統計は無いと思いますが、生活実感として増えている感覚を否定することは難しいです。

「abandoned house」「abandoned city」とかで検索すると他国でも類似の問題はあるようで、下記のブログのようにドイツやイギリスの政策から学ぶべきものもあると思われます。

ドイツは違うようですが、フランスやイギリスも一部の都市への一極集中構造があり、オリンピックもありパリでは様々な再開発計画があります。アメリカでも独特の用途地域で郊外に戸建てしか建てられないこともあるなか、その不便さに耐えられない人たちが都市部へ流入しているのか高層マンションが増えているような印象です。

どの国でも、空き家問題は人口動態とベビーブーム世代の特有の価値観を反映しており、過疎地問題は国土利用のあり方を反映していると言えるのでしょうか。
以前、日本の不動産市場には新しいゲームが必要なのでは、と書きましたが、その一つの方向性として各取引にもっと継承性があるべきなのではないかと思います。英語で書くならば、inheri-transactionでしょうか。
不動産の本源的価値はその地域の公共財であるときに、同じ地域の不動産価格が大きく変わることはないでしょう。どちらかというと、不動産取引の成果は、どのような人が次の所有者になるか、が重要な気がします。というより、たくさんのお金を掛けた思い出ある住宅の結末が「破壊」であることは少し不思議でもあります。
素晴らしい住宅でも管理や設備投資がうまく出来ていないケースを度々見ます。将来の潜在的な需要が今の時点で明確になれば、そうした素晴らしい住宅は末永く引き継がれるのでしょうか。


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