アメリカの不動産仲介業で「日本化」されないもの

アメリカの不動産業界での訴訟が数年掛かるのでは、と昨日(2024/3/16)記載しましたが、今朝起きたら電撃的な和解をしていました。

一部の訴訟を除いてこの和解により、一連の訴訟は終了するようですNARのプレスリリースを見てもこれが解決になっているのか、良く分からなかったのですが、司法省がまた介入したりするんですかね。

昨日は「日本化」されるものについて考えてみましたが、今日は「日本化」されないものについて考えてみたいです。
恐らく、それは「データの徹底的な公開」だと思います。日本では「財産権」とか「個人情報保護」とかで中途半端になりがちな「データの公開」はアメリカでは引き続き徹底的にされると予想します。というのも、それが「新規参入者」にとり一番優しく、年間600万件の取引がある既存住宅取引を成立させる条件だと思われるからです。
ただ、この「和解」案が確定するのかは分かりませんが、恐らくMLSを使わないような取引が増える気がします。そのときに、どのように全取引を把握するのか、は課題であり、MLSを変えるのか、登記のあり方を変えるのか、
は興味深いです。
他国の事例とは言え、プレイスオブのように潜在的な売り手と潜在的な買い手がマッチングするような世界観がどう表現されるべきなのか、は考えなければならないと思います。アメリカの「住宅公正法」は住宅取引時の差別を禁止していますが、差別を許容すると住宅取引が停滞するというような「データの徹底的な公開」と同じような観点もあるように感じます。潜在的な売り手と潜在的な買い手がマッチングすることがそうした立法の趣旨にあうようにしていかなければならないのだと思われます。

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