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ブルアカの設定、世界観について【色彩、大人のカード】

はろーこんばんわ。

ブルーアーカイブのメインストーリーをクリアしたので、
設定と世界観について書いていこうと思います。

◆楽園を蝕む蛇、相対する笛吹き男



ブルーアーカイブのストーリーにおいて、
生徒たちを危機に貶めるのは

・大人のキャラクター

彼らを救うのもまた

・大人のキャラクター

キヴォトスは学園都市であり、
意図的に大人の存在を
内側から排除しています。

無垢足りうる少女のみで構成され、
彼らは傷つくことはなく、
苦しむこともない。
大人のいない世界で、
自由に暮らしています。

少女たちの楽園、
と言っても過言ではないでしょう。

そんな手つかずの楽園を、
穢すのは大人たち。

大人に干渉され、
様々な危機に晒されてしまう。

無垢が故に神秘を持つ、
彼らのいる場所は
無垢でないが故に持たぬものにとっては
彼らから搾取をし続けられる楽園でしょう。

その介入により
少女たちにとっては
楽園は楽園足り得ないものとなってしまう。

そして、
楽園の物語は歪められていく。

だから大人である先生を、
介入させる必要があったのでしょう。

大人に歪められてしまった
楽園だからこそ、
先生は"大人"としての
責任と義務を果たさなければならない。

"大人"のしたことは、
"大人"が責任を取る。

入り込んだ蛇への対抗策が、
楽園の天使を誑かす
笛吹き男っていうのは
すこし皮肉っぽくて好きです。


◆透き通る青、塗りつぶす色彩



作中ではプレイヤーたる、
先生の選択が重要であると
示唆されています。

でも、
作中での選択肢は
物語に何の影響もありませんので、
プレイヤーは先生と生徒の物語には
干渉できません。

ただし、
一つだけ例外があります。

・大人のカードを使われたときのみ、
 物語に干渉できる

プレイヤーは先生の選択によって、
このときにのみ物語に
干渉することができるのです。

けれどもそれによって、

・先生は大きな代償を支払うことになる

作中で示唆されている代償とは、
色彩による侵食。

色彩に侵されると、
生徒は神秘を喪い死に至ります。

つまり、
色彩とは物語外部からの影響であり
その影響を受けると神秘を喪う。

物語の外部に触れることによって、
物語外部のものへと、
変わっていってしまうわけですね。

先生はそもそもにおいて、
神秘を持ち得ない
キヴォトスという楽園外の存在。

楽園外からの影響に対する、
物語における
楽園外からの対抗装置です。

さりとて既に、
物語の枠組みには入っています。

そんな先生も
物語外部からの影響を受け続ければ、
いずれ物語からは外れてしまうでしょう。

死、ないしは異形の姿と化して、
生徒との関わりを
断ち切られてしまうことで。

透明な世界、
その物語を塗りつぶす色彩。

それは物語の外、
プレイヤーの灰色の現実。
なのかもしれませんね。

人の現実を急に灰色とか言ってくるの、
あまりにも失礼ですが。

現実は少なくともブルーアーカイブのような
楽園ではありませんから。



そもそも、
プレイヤーに介入をされたら、
やはり楽園は楽園足りうるものじゃ
なくなってしまうでしょう?

プレイヤーは登場人物の無垢さを
奪ってしまいますから。

メモリアルロビーのように、
異性を獲得したいという欲求を
掻き立てられて。

プレイヤーが被る仮面は、
先生という異性の仮面しかありませんしね。


こういう感じで。


◆奪われた役割、与えられる役割



学園都市では
意図的に排除されているように、
大人は楽園の破壊者としての
役割しか持てません。

色彩の嚮導者のシロコも、
既にネバーランドからは
追放されてしまう歳。

故に持てる役割は
楽園に死を誘うことだけ。

ブルーアーカイブの物語においては、
彼女はもう大人としての
役割しかもてないのですから。

物語の外の力で
物語を改変することを願っても、
それは無垢たる力ではなく
灰色の欲望に塗れた、
現実の力でしかない。

楽園での天使という役割は奪われ、
彼女にはもう、
大人として与えられる役割しか果たせない。

ブルーアーカイブの物語の中では、
登場人物は物語で与えられた役割を
世界観から彼らに与えらえた文脈を
遂行することしかできません。

例え、物語の外の力を誘導しても。

同様に物語の外の力、
プレイヤーによる介入を
誘導できる先生も、
救済と改変を役割として
与えられているだけ。

それ以上はできないですし、
色彩の嚮導者の世界線では
プレイヤーによる介入ができなかったため
物語の外の力を扱えず
結局楽園は塗りつぶされてしまいました。


眠るように 沈んでゆく 愛しい世界 水底に
夢幻の果てが 手を招く様に 扉は開かれた
(「Come Down to the Elysion...」)
──そして…彼女の現実は砕け散る……

エルの楽園 [→ Side:E →]

ブルーアーカイブ、
プレイヤーに対する皮肉が
たくさんあって、
なかなか面白いなと思ってます。

それではまた。