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学びの種 #011「企業博物館で学ぶ」

 企業博物館は産業史・技術史の缶詰。
 人を引きつける仕掛けを企業博物館で学べ。

 この記事のカバー写真は、カバンの製造販売で有名なエース株式会社の創業者である、新川柳作(しんかわりゅうさく)氏の生涯と事業を紹介した「新川柳作記念館」で撮ったものです。東京の浅草を歩いていて偶然に発見したので、立ち寄ってみました。この記念館は、「世界のカバン博物館」に併設されていて、私のようなカバン・マニアにとってはたまらない記念館・博物館です。なお、いずれもGoogleストリートビューで内部をみることができます。
 さて、このような企業が運営する記念館や博物館を「企業博物館」や「企業ミュージアム」と呼びます。『企業博物館の経営人類学』という著書もある経営人類学者の中牧弘允さんによると、企業博物館とは「会社や業種の資料を収集・保存・展示し、会社や業種の文化を研究・普及すること」を主たる目的とした施設のことで、全国に650あまり存在します。企業博物館の展示には、創業者と会社の発展、会社の技術と製品の要素がありますが、最近は、特に飲食関係の会社で「体験型」の要素が重要になってきました。たとえば、日清食品グループの「カップヌードルミュージアム」やキユーピー株式会社の「マヨテラス」などは人気があります。
 すでに、大人の社会見学や子どもたちの夏休みの課題のために、企業博物館に行かれた方も多いと思います。飲食関係の企業博物館では、試食・試飲を楽しみにする方も多いでしょう。しかし、それ以外にも見どころはいっぱいあります。創業者の生き方から学ぶことも多いですし、製品や業界の歴史は日本の歴史と重ねあわせて語られていることが多いですから、技術史や産業史を学ぶこともできます。また、展示の仕方から、見学者の関心を引く仕掛けについても学ぶことができます

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 この写真は、オランダのビール会社・ハイネケンの企業博物館「Heineken Experience」で撮ったものです。ビールの試飲だけではなく、建物を出たら、知らないうちにハイネケン・ファンになってしまうような仕掛けがいっぱいありました。
 皆さんの近くにも、意外に知られていない企業博物館が多くあるはずです。企業博物館で楽しみながら学びましょう。

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