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学びの種 #012「おすすめにしたがう」

ショッピングサイトの「おすすめ」には仕掛けがある。
しかし、「おすすめ」にしたがってみると意外な出会いがある。

 インターネットのショッピングサイトをみると、「あなたにおすすめの商品をチェック」などというのがでてきます。自分の趣味を誰に教えたわけでもないのに、気になる商品がずらりと「おすすめ」にならび、ときどき気味が悪くなることがあります。
 といっても、これにはちゃんと仕掛けがあります。「行動ターゲティング」と呼ばれる手法や「レコメンデーション・エンジン」というアルゴリズム(コンピュータの計算手続き)が、ショッピングサイトの背後にかくれています。つまり、個人の購買・閲覧履歴のデータをもとに、その人にあった広告や商品を提示する仕掛けです。
 このような仕掛けは実に巧妙で、商品を買うか買わないかは消費者の選択ですから、最終的には自分の意志で買ったようにみえます。ところが、その選択肢自体をあらかじめ売り手が示しているわけですから、「計画された選択」ということになります
 さて、そのような「おすすめ」の仕掛けがあったとしても、その「わな」に引っかかってみることで、面白い出会いがあるかもしれません

 最近、平山夢明さんの『恐怖の構造』を読んだあと、映画やマンガにもなった『ダイナー』についてアマゾンでみていました。すると、「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」という欄で面白いものを見つけました。平山さんの作品や他の作家のホラー作品にまぎれて、ハンバーガーに関する本・雑誌が出てくるのです。最初は、一瞬、意味がわからなかったのですが、『ダイナー』の表紙をみて「それつながりか」と納得。

 アマゾンの場合、本のおすすめだけではなく、「お客様におすすめの著者」というのも出てきます。このように、本と著者のおすすめにしたがっていくと、数珠つなぎにいろんな作品に出会うことができます。これは、なにも本だけの話ではありません。モノについても、おすすめで新しいモノに出会えるかもしれません。

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