サンキューカードで学級の安心安全を作る
とある町で小学校教諭をしています。わいぬです。
主にX(旧Twitter)で日々の学びや気づきについて発信をしています。
今回はサンキューカードを通して学級の安心安全を作ると言うテーマで記事を書きたいと思います。
慣れが出てくる時期5月〜6月
大型連休が終わり、学級に子どもたちもいい意味でも悪い意味でも慣れが生じる時期になってきます。
これはタックマンモデルというチームビルディングの理論があります。
形成期
形成期 チームの結成の初期状態、チームの目標などを模索している
混乱期 チームの目標などをめぐり混乱や意見の対立が生じる
統一期 目標や役割などが一致し、チームが安定する
機能期 チームが成熟し、チームの力が十分に発揮される
このモデルを学校の1年間に当てはめて考えてみましょう。
形成期 学級びらき、子どもたちは様子を伺っている
混乱期 学級の雰囲気がわかり互いに意見がぶつかる機会が増える
統一期 行事や授業を通して学級目標に向けて一人ひとりが行動する
機能期 学級が一人ひとりの個性を発揮しながら成長していける
4月にはチームのメンバーの様子をみる形成期があります。
学級では学級開きをして子どもたちが先生はどんな人なのか、学級の友だちはどんな人がいるのか様子を見ている時期になります。
その後、互いの価値観や人間性を理解していく中で意見や考えがぶつかる混乱期にはります。
学級をこのモデルに当てはめて考えてみると5月から6月混乱期になるとトラブルは多くなります。
このトラブルは学級の成長としては必要不可欠です。
しかし、大きなトラブルを引き起こすようなことがあってはいけないのです。
安心安全の土台を作る
トラブルと言っても様々ですが、文部科学省生徒指導提要には、学級での日常的・先行的プロアクティブ生徒指導(発達的生徒指導と課題未然防止教育)の重要性が書かれています。
大きなトラブルが起こる前に、日常的・先行的に子どもたちに指導を入れていくことで困難な生徒指導を減らすことができるのです。
さらに、集団指導については以下のように書かれています。
子どもたちが互いに平等な立場で互いを理解する空気を作っていくことが求められます。
そのためにも子どもたち一人ひとりが心理的安全性を持って過ごすことが安心安全の土台となります。
自分のことが認められているということ。
自分の課題も含めて自分の良さを集団も自分自身も受け入れること。
一人ではなく仲間がいるということ。
これらのことを感じることができるようになれば子どもたちは安心して日々の学校生活を送ることができます。
サンキューカードを書こう
私の学級ではサンキューカード(年度によって名前が違います)をおこなっています。
毎年5月ごろにおこなっている実践をご紹介します。
朝子どもたちに「班の友だちの良い行動や見習いたいことを考えておいてください。」と伝えます。
私の学級では4人で一つの班となっています。
6時間目に次のようなカードをひとり4枚ずつ配ります。
カードに班の友だちの名前を書いて考えておいた良い行動や見習いたいことを書いていきます。
もらって嬉しい言葉を使うことや表現に気をつけるように事前に指導をしておきます。
4人で1つの班なので班の友だちにカードを書くと1枚カードが余るのです。
「班の友だち以外に1枚誰かに書いていいですよ。」
と伝えます。
子どもたちは誰に送るのか考えながらカードを書いていきます。
※1枚の余裕は学級の実態によって変えてもいいです。
サンキューカードを渡そう
書き上がったサンキューカードを立ち歩いて友達に渡す時間をとります。
渡すルールは次のとおりです。
①声に出して読む
②相手の顔を見て渡す。
③もらったお礼を言う。
子どもたちはカードをもらい席につくと静かにカードを読み出します。
先ほどの1枚のあまりがあるので3枚から数枚のカードが子供達の手元に届きます。
最後に一人一つカードリングを配って話をします。
「1年間かけてこのリングにサンキューカードを貯めていきましょう。」
自分の行動や考えが友だちを励ましている。ということの価値を伝えていきます。
さらに、1年間を通して子どもたちはふとした時にカードを見返して気持ちを前向きに保っていきます。
ほめ言葉を増やすためには教師が手本を示す。
子どもたちが互いに友だちの行動や考えを認め合うためには教師がその手本を示さないといけません。
まずは教師自身がほめる言葉や子どもたちの行動や考えを価値づけ、意味づけする場面をたくさん作っていく必要があります。
ほめ言葉については以下のnoteを参考にしてください。
終わった後にノートを書く
一人ひとりリングにサンキューカードに入れたらノートに感想を書きます。
子どもたちは書くことの難しさ、受け取った時の喜びなどを書きます。
有名なジョハリの窓です。
自分でも気づかない良いところなどに気付いたりするのです。
そして、子どもたちのノートから何人かの文章を通信や口頭で紹介をします。
「もらってどんな気持ちになったのか。」
「学級がより良い方向に進んでいる。」
通信で紹介することで学級の雰囲気が安心感や今後の期待感が生まれてより良いものになっていきます。
サンキューカードの行い方
サンキューカードの行い方は様々あります。
・月に1回など定期的に行う。
・カードを教師用の机などに置いておいて自由に渡す期間を作る。
私は、菊池省三先生のほめ言葉のシャワーと合わせて1年間おこなっています。
ほめ言葉のシャワーを浴びる子に全員がカードを配って書いてもらいます。
10名ほどの子がサンキューカードをみんなの前で読んでほめ言葉のシャワーを浴びる子に伝えます。
カードを回収して後日ほめ言葉のシャワーを浴びた子に担任が渡しています。
最後に
サンキューカードの実践を通して学級の子どもたち一人ひとりが前向きな気持ちを作ることができます。
慣れが出てくる5月のこの時期におこなってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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