吉野山散りはて果てに西行庵

カメラには2枚だけフィルムが残っている。
それを持ってバイクで吉野山へと出かけてきた。


新緑が眩しいとはこういうのをいうんだなあ…と思いながら2時間ほどで到着。


吉野の山はブナ科の広葉樹林とヒノキの針葉樹林でまだら模様になっている。
すでに、山桜は散りはてて、新葉を噴出し小楢とその黄緑を競っていた。


蔵王堂でめっちゃゆっくりして、写真を1枚撮って更に奥へと向かう。


金峰神社でバイクを降りて、立派な登山道を歩くと西行庵があり、奥千本の最後の花びらが谷をキラキラと舞い散って行く。


それを急斜面で立ち止まって眺め入ってしまう。
素晴らしい。


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西行庵までの道のりでひとりの女性に声を掛けてどこまで行くのか、などと他愛無い話をしながら歩いて、追い越したり追い越されたり。


彼女はひとり旅で、今朝東京を出て夜には帰るんだそうです。笑顔がとても可愛い。


彼女は柿の葉寿司を買って持っていて、それを頬張っている。


さてさて、私は西行庵で最後の1枚を撮って下山することにした。


バイクに乗っても何かもうひとこと伝えておきたかったなーって思っていたら、彼女が居たので


「さようなら、きょうは楽しい出会いで嬉しかったです」


と伝えて先に山を下ってきました。


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標高が600メートルの水分神社付近の展望台から蔵王堂を見下ろせる。
ココからの景色は素晴らしい。


後醍醐天皇の無念がじわーと伝わるようで、家に帰って思わず太平記のそのあたりを読み返そうとしてみたり…。


※もしもフィルムが3枚残っていたら…なんて。


【4月27日】

2005年4月29日 (金曜日)