帰り道好きだと言ってキミを見る

私の脳裏にはひとつのドラマのようなもの…が蘇えってくる。

校舎を出て坂道を下りながら、緩やかに曲がる石畳を歩いてゆく。
大通りを横切って、美術館の前を通り過ぎると小さな森があった。

その森には、秘密の道がある。
そこを通り抜けると私たちの学校が或る高台の外れに出ることができ、そこから市内を真っ赤に照らす夕焼けを見ることが出来るのだ。

私は
いつものように
あの子を誘った。

駅までは少し遠回りだけれど、この夕焼けを二人で見たかった。

帰り道
好きな人が居ると
打ち明けて
夕焼けが焦がしていった
キミをみつめる

【銀マド】断章70から | 2008-11-08 09:00 |

2010年8月 6日 (金曜日)