2009年(平成21年)十七音・スピンアウト (九月)
さようなら、僕の九月と君の九月
雨の朝、あなたの手紙を読み返す
さようなら、僕の九月と君の九月
今は
言葉は
少なめに。
| 2009-09-30 07:50 | 十七音(スピン・アウト) |
ボタンいじり、今夜も月は闇の中
雨がやむ、静けさ噛んでキミを見る
いいえ
ボクの前に
キミはいない。
じゃあ
静けさの中で
ボクが見たものは
何?
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ボタンいじり、今夜も月は闇の中
| 2009-09-29 20:54 | 十七音(スピン・アウト) |
土砂降りに棘ある花を生けている
土砂降りの、
私をなじるような音を聞いていたら
急にあなたが憎たらしくなってきて
そんな気なんかこれぽっちもないのに
嫌いだよ、キミなんか♪
と、つぶやいてみる。
私の荒れている情熱が
うまく表現できないかと思って
ハサミを入れる。
--
土砂降りに棘ある花を生けている
| 2009-09-28 21:39 | 十七音(スピン・アウト) |
唇を見つめ続ける。遠ざかる
私は眩暈の中にいる。
ぐるぐる。
酔うたように眼が廻る中で
あなたのことだけを思い出そうとする。
小さく優しい眼。
震える唇。
眩暈の中で手を差し伸べる。
あなたは微笑む。
私は酔う。
目は廻り続ける。
あなたの唇も廻り続ける。
| 2009-09-23 22:28 | 十七音(スピン・アウト) |
ねえ少し痩せましたかと聞いてみる
2ヶ月ぶりに会ったら、真っ先に私は、
――髪が伸びましたね
と言い出そうと決めていた。
理由は無い。
ただ、そう言って、無造作そうなお洒落に食いつきたかったのだ。
――痩せた?
――いいえ、太ったくらいです
私たちに話すネタなど何もない。
見つめるわけにもいかないが
眼が合えば、少し大きく呼吸をしてしまう。
ときどきニッコリ笑うのを待ちながら、何を愉しんでいるのだろう。
贅沢な時間が過ぎていった。
(熊野古道、馬越峠の麓。山帰来にて)
| 2009-09-22 09:03 | 十七音(スピン・アウト) |
指切りを思い出すたび彼岸花
お隣さんの庭の彼岸花が咲いた。
あの赤は、苦々しい。
指切りを思い出すたび彼岸花
そう手帳に書き留めた。
そのあとで、
指切りを思い出させる彼岸花
さよならを黙って見つめる彼岸花
またあした黙って見あげる彼岸花
など、派生三首で遊んでみた。
でも
やっぱし
私には、「指切り」がツンと来る。
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言っておきますが、そんな実話は全然ない。
全てが、私の作ったドラマですから。
| 2009-09-14 19:00 | 十七音(スピン・アウト) |
分度器で貴方との距離を測ってる
分度器で貴方との距離を測ってる
うーん
(十七音コミュにも書きました)
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4月 15日に
補助線を引けばあなたが見えるかな
と書いた。
あの時は、行き詰って、思考が停止していた。
消しゴムを投げても届く君の席
今は、近くにあるんだけどなあ。
| 2009-09-13 19:23 | 十七音(スピン・アウト) |
ふと秋雨が恋しいの、きみ想う
ふと秋雨が恋しいの、きみ想う
秋雨という言葉が
ついこの間から
頭のなかに残っていて
いったい
私が雨を待っている気持ちは
なんなんだろうと
自分でもわからなくなっていた。
枯れていたのか。
いいえ
苛めたいのか。
いや、それも違う。
では、
と考え続けていた。
処女をなくした女が
酒の杯を手に
そこにいたら
私は狂喜してしまうかもしれない。
| 2009-09-09 21:21 | 十七音(スピン・アウト) |
ほんとうはあなたが好きです、いわし雲
空を見てると
好きだといいたくなるよなあー
そんなこと
思っている間に
日が暮れる。
| 2009-09-08 21:26 | 十七音(スピン・アウト) |
親指が背中の嘘を炙り出す
またもや、Pさん@GREEから
> 嘘つきを人差し指で黙らせる
この頃、powさんの感覚というのが
目まぐるしく私に接近してきたのか
それとも
表現方法とか作風が、悪さっぽくなったのか
はたまた
前から持っていたツメを隠さず出しているのか。
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言葉で遊んでみると
親指が背中の嘘を炙り出す
なんて書いてみたくなったわ。
| 2009-09-07 07:47 | 十七音(スピン・アウト) |
秋の月、影を引く君のうしろ姿
GREEで、Pさんが書いたものに、十四音を続けてみた。
>月のあかるさが痛々し 破れたこころ
そのうつむきが隠すいざよい
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月は、十五夜お月さんが終わると日に日に小さく欠けてゆきます。欠けるというより、萎んでゆく。
◎ 十六夜。
いざよい。
欠ける月、いざ酔いしれて君想う
◎十七番目の月
立待。
たちまちの月という。
あなたは来ぬかと立って待つ。
まさにその心境ですね。
◎十八番目の月。
居待ちの月
いまちの月。
居て待つ。
やはり、月が出るのを待つ気持ちは、欠けてしまってゆくものであろうとも、名残惜しい。
早く会いたい。
◎ 十九番目。
寝待の月。
ねまちの月。
寝床に横になって東の窓を開け放って空を見ると
まだまだ明るい月が出ています。
昔の人は、殆んどの家庭で間違いなく、明かりを消して見上げたことでしょう。テレビも無く電気もない。書物もない。
◎ 二十日の月。
更待月
このあたりになるとやはり寂しさが隠せなくなる。
でも、また再び満ちてくるわ、と楽天的になるしかない。
もちろん、三日月になったら、それはそれで風流だ。
9月のころの月の高度は、50度程度です。
それが10月になると 57度。
11月の満月のころは、70度を越えます。
真冬の月は85度まであがるので、殆んど真上にある感じです。
秋の月、影を引く君のうしろ姿
そんな風情が中秋のころにはありますね。
| 2009-09-07 07:35 | 十七音(スピン・アウト) |
露草やきのうの恋を呼び覚まし
露草やきのうの恋を呼び覚まし
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朝、道ばたで
鮮やかな青い花を咲かせた
露草を見つけた。
やがて
農家の誰かに刈り取られてしまうのかもしれないが
私は
その、光り輝く雫を
しっかりと見た。
静かな
秋の朝の
一瞬のことだ。
| 2009-09-03 21:46 | 十七音(スピン・アウト) |
君の道、ススキがひょいと澄ましてる
エレベーターの前の花台に
誰かが花を生けてくれているのですね。
それが誰かはわからないけど
僕はそれを楽しみにしています。
あなたが花に手を差し伸べていたときの姿がとても印象的です。
素敵過ぎて声を掛けられず柱の陰で見てたもんな。
(ちょっとウルッと)
あなたの道。
僕はあなたと何度もすれ違った廊下を
「あなたの道」と思ってみたかったのですかね。
きょうも
今週になってススキが生けてあるのを
見ていて
君の道、ススキがひょいと澄ましてる
と、ノートに書いた。
| 2009-09-02 20:58 | 十七音(スピン・アウト) |
月はひとり、星は二人で見上げたい
秋か。
月がまん丸になってきてる。
月はひとり、星は二人で見上げたい
秋を語れば
お酒が幾らあっても
足りなくなる。
| 2009-09-01 21:04 | 十七音(スピン・アウト) |