寒い夜遠くに好きな人がいる
青電話。
ポツポツと街にでき始めたころ。
そいつではテレフォンカードが使えて、いつ行っても誰かが使っているから、電話が出来なかったなあ。
それまでは、ポケットに10円玉を一杯詰めて、ありったけの服を着込んで出かけるのよ。
いわゆる、街角のタバコ屋さんがあるようなところの軒下に電話はあって、電信柱に灯っている蛍光灯の下で10円玉をせっかちに放り込みながら電話を掛けたものよ。
寒かったなあ。
貧しかったし。
--- もうすぐ試験終わるよ。そしたらちょっとだけ帰るから。
春休みは進級発表があるから、いつもそんなにのんびりもしてられなかった。
あのころ。10円玉って凄く価値があったなあって思う。
2009年2月10日 (火曜日)