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おにぎりプロジェクト第四弾「平和酒造」報告

富山、福島、鹿児島と続いたおにぎりプロジェクト、今回はいよいよ和歌山に到着だ。共同発起人であるNARISAWAの成澤シェフと降り立ったのは海南市、そう僕らもWAGYUMAFIA設立前からお世話になっている山本典正社長率いる平和酒造だ。

和歌山は風光明媚な場所だ。前回訪れた際は、海と山の自然の美しさに加えて、泊まった都市部のホテルでは列車の音と海の果てに沈む太陽を見ながら、なんて美しいところなんだろうとしばしその時を忘れて見入ってしまったほどだ。今回も足を伸ばして、こんな美しい日本の原風景に触れることができた。東京からのアクセスも2時間以内という好アクセスも手伝い、これからどんどん人気になる県だと思う。

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平和酒造は紀土という日本酒で有名だ。紀州の土を意味するこのブランドは、覚えやすい英語の発音であるKIDという名前とともに世界に飛び立って行った。僕らが到着したその日も荷札の行き先は韓国を指していたし、何を隠そう最上級クラスの無量山は2020年の12月にIWCのSAKE部門で堂々の最優秀賞に輝やいていたりと日本を代表する酒蔵だ。1928年から酒造りを開始した山本家、酒造り以前は無量山超願寺というお寺だった。その寺の名前を冠し、酒の未来を目指した無量山ブランド、柴田杜氏はその比較を照れながら「紀土はTOYOTA、無量山はLEXUSといいましょうか」と笑顔で伝えてくれる。蔵は若い女性が多く活躍している、今回のプロジェクトのコーディネートを担当してくれた檀上さんも才能ある若い女性だ。新しい才能がどんどん発掘されている理由は、山本社長の著書「個が立つ組織」を読むとその理由が垣間見える。伝統を大切にしながらも、若い個の力を伸ばしていく、その結果が冒頭の最優秀賞へと導かれているような気がする。彼らはクラフトビール蔵ももっており、以前も紹介した高木さんという女性醸造家が作り出す美しいクラフトビールはぜひ一度味わっていただきたい。

成澤シェフと考えた今回におにぎりのメニューは、和歌山南部の郷土料理からアイディアをもらっためはり寿司。高菜漬けの葉を一晩水につけて塩抜きをしておにぎりの衣にする。具は山利さんから送っていただいた夏前の素晴らしいしらすを2種類。ちりめんを佃煮にして、そこにしらすを合わせて、山椒生産者の宇城さんより分けていただいた香り高い実山椒をみじん切りにしたものを加えた、実に和歌山らしい一品だ。もう一品は何と言っても梅干しである。このおにぎりプロジェクトを始めてからいつかは具材として発表したかった、おにぎりの代表選手。紀州南高梅を昔ながらの強めの塩加減とクエン酸が立った梅干しを丁寧に種抜きをして、こちらも梅干しで作った煎り酒を合わせて伸ばしたものだ。この4回のおにぎりプロジェクトを通して、最もシンプルなおにぎりだと思う。

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早いスタッフは朝の2時からそして炊き出し開始は5時、そして今回のオニギリスクアッドは総勢20人、全員でおにぎりを握り続けるのだ。9時には400個以上が完成した。そのおにぎりを今回は海南医療センターまで届けに行く。贈呈式ではいつも僕らの方が元気をいただく、一同笑顔が溢れるとても嬉しい瞬間だ。

平和酒造チーム、そして仕込みのお手伝いから炊き出しの最高のお味噌汁まで担当いただいたオテル・ド・ヨシノ手島シェフチーム、素晴らしい押し鮨の鮨義心の奥村さん、鮎の鮨は忘れられない味になりました。炭火やきとり新太郎の新谷シェフ、本場の紀州備長炭で焼いていただいた焼き鳥絶品でした!

最後に山本社長こと、山ちゃん!また和歌山ファンになりました。またすぐ戻ってきます。

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次回のおにぎりプロジェクトはいよいよ東北へ!青森に飛びます。陸奥八仙が有名な八戸酒造さん。あの日本最大の朝市ツアーからのご縁となる。またこのおにぎりプロジェクトを通して、多くの青森のみなさんとの出会いを楽しみにしています!


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