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世界に1つの卓球ラケット「TSW」

いきなりですが、このラケット知ってますか?
木材ヒノキ6枚合板ですが、見慣れない黒い模様があります。
実はこれ模様じゃありません。種類の違う木材なんです。
通常ラケットは薄い木材をに重ねて接着します。
このラケットはに木材を接着させています。
これが何かと言うと
トランポリン・スプリング・ウッド製法
Trampoline・Spring・Wood 「TSW」と呼ぶ技術は、寄木細工の技術でヒノキ合板の内部に「黒檀の単板」を埋め込むことで、黒檀が支柱となり表裏面が一体化し、スイートスポットが広がります。また柔らいヒノキ合板の外側に堅い黒檀を配置することで中心の反発力がまるでトランポリンのようにボールを包み込む感覚と弾き出す打球感を感じられます。
接着剤も和楽器に使われる膠液(にかわ)を混合し、強度だけではなく、しなやかさを与えています。「TSW」は「ヒノキ単板ラケット」と「カーボンラケット」を組み合わせたような唯一無二のラケットです。世界的なSDGsで今後卓球界も脱炭素化が進む可能性があります。そんなカーボンニュートラル時代に新しい風を吹かすかもしれない卓球ラケット、それがこの「TSW」ラケットなのです。

ヒノキの3枚合板が2枚

まず最初にこの卓球ラケットは6枚合板??
普通の合板ラケットは奇数の合板ですよね。中心に厚めの木材があって、薄い木材が外側に2枚ずつの5枚合板や7枚合板が一般的です。
なぜ6枚なのかと言うと・・・
「木は生きている」からなのだそう
このTSWラケットに使われるヒノキは帯鋸(おびのこ)で木を薄くしていきます。切る前に水に浸けて柔らかくしたり、加熱したりしません。生きたままの木です。つまり呼吸をしているということです。和室で暖房を入れると木がきしむ音がするのと同じですね。
普通の単板は柾目という縦に木目が入った板を使います。
しかし今回はあえて板目という横に木目が入った板を使っています
板目は柾目より強度があり、水分を吸いません。日本古来の醤油樽などは板目材が使われています。それだけ切り方で強度が変わるそうです
その反面、板が反るということです。

外向きに反った3枚合板


内向きに反った3枚合板

木の反りは生きている証し
3枚合板、この反りを反発に利用します
逆方向に反った3枚合板をそれぞれ選び、接着します

3枚合板×2枚

これが6枚合板の正体!!3枚合板×2枚だったんです。
これを一体化させる2つのポイントが膠液を混ぜた接着剤と黒檀の支柱!

職人さんが糸鋸で切り出していきます
こんなラケット初めて見ました
ちなみにこの職人さん、身体障がい者スポーツ大会で
日本一になっているほどの腕前で
めちゃくちゃ卓球上手いです
やはりこのラケットの注目すべきはこの黒檀の支柱です
対角線上に埋め込まれた固い黒檀がブレード中央を支えます
また隣り合う黒檀がその中心を支えます
スイートスポットが端まで広がるということ
打つのは中心部ですが、サーブなど先端使うという
人もいるかと思います。
TSWのスイートスポットの図


TSWラケットの重量はなんと112g!日本一?世界一?重い卓球ラケットかもしれません!!!とはいえ、今回はブレードを大きく試作したので小さくするだけで90g台になるはずです。重いラケットが良いという表ラバーを貼る選手やバック粒の選手には最適??両面テンションラバーの特厚なんて貼ろうものなら200g超えの超重量級ラケットになりそうです。粘着ラバーを使う中国選手は200g超えが当たり前のようですが、このラケットを使いこなすには筋トレが必要かもしれませんね。その重さの理由は周りに配置した黒檀。高級で非常に重い木材である黒檀は伊達じゃないということでしょう。しかしそれだけのメリットがあります。打ち出すドライブの威力はすさまじく、トランポリンのようにしっかり包み込む感覚で放たれたドライブは放物線とスピードをバランス良く生み出すだけでなく、ブロックの安定性も素晴らしいです。そしてそして、このグリップをよく見てください。



唐木と呼ばれる黒檀、本紫檀、鉄刀木、花梨等の高級銘木と桑、欅、ホワイトアッシュ等の銘木を寄木細工の技術で接合させています。



唐木の寄木細工

この芸術的な寄木細工からグリップの模様が作り出されます。
しかも、このグリップ。神代杉なんです!!!
神代杉というのは地中や水中に腐らずに何百年、何千年と埋もれていた木です。希少中の希少な木で市場にはほとんど出回りません。
この美しすぎるグリップの魅力は着色した木には到底出すことの出来ない歴史でしょうか。
作ったのは徳島県の木工職人、山口友市氏
寄木細工と木工のスペシャリストでテレビや新聞にも多く取り上げられています。
ちなみにこのラケットは特注で制作に2か月以上かかるそうです。
お値段もラケットとしての使用目的ではなく、芸術品としての価格で
なんと、、、5万6千円
日本一高いラケットにはちょっと及ばないですが
市販品よりははるかに高価
使う勇気ありません。笑

HPはこちら↓↓

現在「TSW」はJTTAAマークがないので日本の公式大会では使えませんが、海外の大会では使えます。需要が見込めるようでしたらJTTAA取得に向けて
クラウドファンディングで資金調達します。
ラケット制作動画、ラケット性能動画、試打動画はYouTubeで近日公開
興味ある方は、とりあえずチャンネル登録だけしておいてください(*^-^*)


余談ですが、紫檀単板ラケットというのも作っていました
その重量なんと240g
ラバー貼ると300g超えます!笑
もはや素振り専用
こちらも芸術品としての価格50000円
思ったより安い気がします。
高級木材の紫檀単板なので、芸術品として飾っておきたいですね。
使うと腱鞘炎確定です。笑








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