シン・ゴジラを見たら官僚になれるのか?

2016年にはやった映画の一つに「シン・ゴジラ」がある。流行っただけじゃなくて評論家からも評価が高い作品だ。当時の僕も面白いと思った。平成ガメラやガンダムユニコーンに飛びついた連中がいい例だが、オタクってのは自分の好きなコンテンツが大人向けに演出された作品を異常に好む、幼稚な傾向があるからだ。

ただ、今はそう良い映画だと思わない。というか、媚び媚びすぎて見ていて辛い。

では、なぜダメか。今更ながらちょっと記事にしてみよう。

シンゴジの欠点は一言で言い表せる、公務員万歳な点だ。

この映画で国民は保護される対象としてしか描かれていない。もっといえば避難させなきゃいけない足かせだ。良心的な官僚たちは国民が死んだことや都市が壊滅したことに心を痛めるが、どこか上から目線で、

俺たちが助けてやるって感情が見え透いてる。

確かに、ゴジラ凍結作戦を立てたのは官僚で、実行したのは自衛隊なんだが、その裏にはたくさんの人々の影がある。

新幹線を作った技術者だって、ゴジラがいる中働いて経済を回してくれた会社員だって、避難指示に従ってくれた人たちだってゴジラを倒した立派な一員だ。その視点が抜けている。

これくらいのセリフや展開があっても良さそうなもんだ。

(ヤシオリ作戦に使われたビルを見て)土方「このビルは俺が建てたんだぜ」

ヤシオリ作戦前夜にも忙しなく働く会社員

あれだけスタッフがいた映画なのに、彼らがインフラ整えて税金を納めたからゴジラを倒せたっていう発想を持てた人は一人としていないらしい。

要は早口なセリフ捲し立ててカッコつける官僚たちに自己投影しちゃってたのだ、スタッフも観客も。こんなバカなことあるか。

他にもいろいろ言いたいことは多いが、今日はここまでで。

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