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涼しさを演出する「錦玉羹」の話です😄

夏の暑い時期によく作られる「錦玉羹」(きんぎょくかん)です。
寒天で作られる透明で涼しさを演出する和菓子の
1つです。

どのような歴史があるのか、どんな種類があるのかお伝えしましょう。

歴史
錦玉羹が作られたのは「寒天」が発明された江戸時代からです。

寒天


当時、深川にあった名店船橋屋織江の主人が書いた「菓子話船橋」には煉羊羹を始め、色々な錦玉羹の配合が記載されています。
柚子を使ったものや九年母というインドネシア原産の柑橘類、百合根を使ったものなど。

精製された白砂糖も一般に流通もして透明度の高い寒天液が作れるようになったことで、職人たちの創作意欲も高まったのだと思います。

では、現在はどの様な錦玉羹が作られているのでしょうか?

道明寺羹(どうみょうじかん)

道明寺とは、餅米を蒸して乾燥させ砕いたものです。よく春の和菓子でお目見えすることが多いと思います。
淡い紅に染めた道明寺を錦玉羮に混ぜて固めたもの。道明寺の粒が見えて満開の桜に見立てた和菓子です。他にもアレンジして季節を表現します。

道明寺

上南羹(じょうなんかん)

上南粉をつかった和菓子です。
上記の道明寺を更に砕き煎ったものです。
モチモチした食感になります。
透明度は無くなりますが、色を重ねて虹のようにしたり、スライスして餡を巻いたりします。

淡雪羹(あわゆきかん)

メレンゲを混ぜることにより、純白な和菓子を作ることができます。
泡を抱えたメレンゲが独特な食感を作り出します。

淡雪羹

他にも吉野葛を入れた「吉野羹」、つくね芋や大和芋を混ぜた「薯蕷羹」(じょうようかん)も作られています。
ここに挙げたのは一般的によく知られているもので作る手のアイデアで色んな錦玉羹ベースものがあります。

錦玉羹は色んなアレンジをできます。
基本的に寒天、砂糖、水飴で作れますので
挑戦してみてください。
100均などで売っているぐい飲みを利用すると便利です。
酸味の強い素材だと寒天が固まり難いですが、
ぶどうジュースやオレンジジュースなど使うと
この時期にぴったりな和菓子になります。

最後までお読み頂きありがとうございました。

参考文献

「古今名物御前菓子秘伝抄」
 鈴木晋一訳
 教育社新書

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