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『Sonny Boy』第七話殴り書き感想


『Sonny Boy』第七話見た。
凄まじい密度!
かのヒトラーも所有していたベックリン『死の島』の糸杉とホックニーの淡いパステル調の簡略人物像はそのままに、今回はシュレディンガーの猫に代表される量子力学の観測者仮説に基づく世界説明がほとんど確定事項となる展開に合わせ、天地逆さまの日常を生きるコウモリの導きに従って、ブリューゲルの『バベルの塔』とピラネージの幻想の牢獄とエッシャーの無限階段が一体になったさかしま(アデュナタ)の世界が描かれ、ロートレアモンの名言“ミシンとコウモリ傘が手術台の上で出会う”への連想を喚起しつつ、原シュルレアリスムへの傾斜が加速していく。
ちなみに鉄棒に乗ってさかさまの世界に落ちる直前、長良の手のひらの上を無数の蟻が這い回る一瞬のシーンは、シュルレアリスム映画の古典『アンダルシアの犬』からの引用。
つまり、物語と描写の両面においてたったひとつの“この世界”に対する素朴な信仰に揺さぶりがかけられ、いくつもの“この世界”の同時存在を想像/創造する道が開かれていくわけだ。
シュルレアリストが呼んだ超現実と量子力学の並行宇宙仮説が、少年少女たちの成長譚=ジュヴナイル文学の中で見事に融合している。まったく信じられないような達成!
われわれはマジの大マジの本気で、アニメーション史上の最高傑作の誕生に立ち会っているのかもしれない。これに比べれば、エヴァもレインも妄想代理人も、その“難解さ”と思弁において児戯に等しい。


“ 観測者でいるのはもうやめにしようか ”·····
銀杏BOYZも最高だが、これ以上に『Sonny Boy』のテーマにふさわしい曲が他にあろうか!?

Listen to Chronus / ミメイ by ミメイ on #SoundCloud


ってかミメイ音源サイコーやん!
もっとガンガン曲作ってほしいわ。

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