あけましておめでとうございます!
みなさん、あけましておめでとうございます。
わがことの一員でもあり、株式会社HYAKUSHOの代表をしております湯川が新年のご挨拶をさせていただくことになりました。(単なるわがこと内のnoteローテーションw)
新年なので、明るく、気の利いたことでも1つと言いたいところですが、そんなこともなかなか思いつかないので、去年1年間過ごしてきて出会った好きな言葉を紹介して、新年のご挨拶に変えたいと思います。
「諍臣は必ずその漸を諌む」
これは、2021年の大河ドラマ「青天を衝け」の劇中、堤真一が演じる一橋慶喜の家臣・平岡円四郎が言ったセリフです。
諍臣(そうしん)とは、主君の非行を強く諌める家臣のことです。組織におけるNo.2みたいなポジションでしょうか。この言葉の意味は、「主君の過ちを見つければ、必ずその行いの間違いを指摘し、事前に諌める」です。
これは、後の15代徳川将軍になる一橋慶喜が、平岡円四郎に「諍臣になってもらいたい」と言って時に、返したセリフとして劇中では描かれています。
この言葉の何か良いかというと、昔から主君が完璧ではないという前提で、「諍臣」というポジションが社会的な役割としてあったという点だと思っています。そういう言葉自体が今はなくなってしまっていますので、今の世の中はそういう社会的役割は不要になったのでしょうか?
いや、そんなことはないと思うのです。誰でも間違いはあるし、失敗をしますし、感情的に物事を判断してしまう場面もあります。人間だもの。
大切なのは、そういった場面を想定して、仕組み化しているかどうかということではないかと。自分の中で、「あの人は私の諍臣なの!」と理解しておけば、苦言も優しく受け入れられるというものですよね。だって、人間だもの。
ただ、今自分がどっかの主君ではないので、そういった状況になるのか今後の自分の人生に期待したいと思います。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
これは、1987年に歌人:俵万智さんが出した「サラダ記念日」の短歌集に収録されている歌の1つです。当時280万部売れ、俵万智さんを有名にならしめた短歌の1つです。
俵万智さんは、短歌界ではもはや無双状態でして、明治時代以来、たくさんの方が短歌に口語を入れるチャレンジをしてきたらしいのですが、俵万智さんほど親しまれる歌を詠める人はいないらしいです。(歌舞伎町のホストとオンライン歌会をやったりするらしい。)
その中でも、若かりし頃に生まれた名歌が冒頭の短歌です。
この短歌は、もはや自由な要素もあるのですが、意味としては「何気ない日常を素敵な記念日にしてしまうという心の情景が浮かび上がってくる点」かなと思っています。
この短歌の中では「嬉しい」とか「楽しい」という感情表現は出ていないのですが、詠み手は嬉しかったんだろうなというのがわかりますよね。この余白感。
読み手に想像させて、解釈させて、じんわり染み入るような言葉のシャワーを浴びせてくれます。歌浴(歌を浴びること)。
ちなみに、この歌は俵万智さんが本当に体験したことで、当時付き合っていた彼氏に「鶏の唐揚げ」を作ったらしいのです(実はサラダではないという裏話)。その鶏の唐揚げをカレー味にしたところ、彼氏が「この味いいね」と言ったそうです。そこから生まれた歌とのこと。
「鶏の唐揚げ」なのがまたいいですよね、「季節の野菜と豚肉のブイヤベース」ではこの歌は生まれていないよなと想像したり。
最後とは知らぬ最後が過ぎていゆくその連続と思う子育て
さて、最後は、もう1つ俵万智さんの歌から。(もはや俵万智さんが好きすぎています。)
これは5・7・5・7・7になっていて、とてもスムーズに読むことができます。
最後とは 知らぬ最後が 過ぎてゆく その連続と 思う子育て
これも本当に素敵ですよね。
この歌は、年末の俵万智さんのTwitterから拝借しました。息子さんが成長したことで、息子さんと一緒に食べるクリスマスケーキが今年で最後かなと思った時に詠んだ歌とのことです。
お別れはいつも突然に。そういう場面が生きていると多いですよね。いつも最後とは思っていないけど、実はその最後が過ぎていってしまう儚さや寂しさを詠んだ歌と思っています。
あ、あと、この歌は、最後の「子育て」の部分を色々置き換えられるのではないかと思っています。僕なら何に置き換えるかな。
最後とは 知らぬ最後が 過ぎてゆく その連続と 思う里帰り
両親は東京に住んでいて、もう高齢なので、人生ではもう何十回も会うことはないでしょう。帰省するたびに、上のような歌を口ずさむのでしょうか。
うむ、新年からしんみりしてしまいました。
それでも、何か終わりがある、最後がある、そう感じるからこそ、今を大切にしようと気持ちが出てくるのかもしれません。
今年は仕事に追われることなく、むしろ仕事なんてせず、1つ1つの出会いを大切にしたいと思いました。
みなさま、本年もよろしくお願いいたします。
湯
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