見出し画像

「ブレイン・プログラミング」読了

久々にこの手の自己啓発本を読んだ。

著者は2000年に世界的ベストセラー「話を聞かない男、地図が読めない女」を書いた夫婦。

あの本はボクも読んだし、当時も「文章が読みやすくて分かりやすいなぁ」という感想を持った。

ひとつひとつの文を短く簡潔に、しかし分かりやすく力強い表現はそのままに、本書では著者自身が経験してきた「夢をかなえる方法」の伝授本。

まぁ普通そういうことを聞くとたいていは眉唾になる。引き寄せの法則とかアファメーションとか宇宙の法則とか、ボクも若い頃はむさぼるように読んだけど(ほとんどがブックオフで買ったものだけど)、ほとんどすべてがオカルト本か新興宗教のように感じて「著者は(頭)大丈夫か?」と思うものばかりだった。

しかし本書のアマゾンレビューを見ると、そういったオカルト本とは一線を画し、RASと呼ばれる脳の部分の役割を説明した上で、RASに「自分のなりたい将来像」をインプットすることで夢が実現していく手法を1冊に渡って解説しているという。

ぶっちゃけRASなんて初めて聞いたし、もちろん自分では見たことがないのでこれが本当かどうかは知らない。

著者の論点を簡単にまとめると「自分のなりたい像を書き出し、毎日眺めてRASにインプットすることで、それに関連するものが目につくようになり、やがて実現する」というもの。

大事なのは「なりたい像=成功した像」をイメージすることであって、「どうやってなるか」は問わないこと。

夢を持つけど実現できない人が多いのは、目標を立てた時に「どうやっていいか分からず途方にくれる、諦める」からだと言う。

この「目標を紙に書いた瞬間からそれに関連することばかりが目に付き、耳にするようになる」という経験は誰しもあるだろう。ボクもある。

ボクはもうすぐ50になるけど、実はこの年で空手とか少林寺拳法のような護身術を習いたいと思っている。

というのも今まで喧嘩などしたことがないので、暴漢に万一襲われた時身を守ることはできないと思っている。

自分だけならまだしも、横に奥さんがいた場合彼女を守れないことだけは避けたい。

喧嘩で強くなりたいわけではなく、暴漢に襲われた時大事な人を守る程度には護身術を身につけたい。

しかし、この年で道場に入門する人なんて見たことないし、なにより恥ずかしい。

そう思いながら数年経つんだけど、空手習いたいなぁと思い始めてからはテレビで旅番組とか見てると空手道場を取材したシーンだけ強く印象に残ってるし、町を歩いていても「へぇ、こんなところに空手道場あるんだ・・・なになに、初心者歓迎・・・電話番号メモしておこうかな」なんて思い始める。

そういう経験が自分にもあるので、そんなぼんやりしたイメージではなく、もっとはっきりと意識して、実現しようという内容が本書で指南されている。

もちろん「強く念じるだけで向こうから幸運がやってきます」という頭お花畑のオカルト本ではなく、目標の立て方、期日の切り方、目標のプライオリティの付け方、行動手法がことこまかく説明されている。

そして、そのどれもが「なぜそうなるのか」という根拠が示されている。

この「根拠」と著者自身もしくは友人知人の実話エピソードが各章、各チャプターでこれでもかと膨大に紹介されているので、読んでいるうちに圧倒されて「確かにそうだよな・・・」と納得している自分に気付く。

そして最後の章は大ヒットとなった「話を聞かない男、地図が読めない女」のエピソードにまるまるあてられている。

著者はこの章を書くか迷ったらしいけど、大きな借金を背負う羽目になり、ガンにもなり、人生のどん底にいたところから借金を返すためにブレイン・プログラミングを使って「話を聞かない男、地図が読めない女」をどのように構想して、書いて、売ったかということを紹介している。

あの本にはそんな経緯があったのかと、この章だけでも相当な読み応えがある。

そして、そのあとが最後の章になり、本書の振り返りおよびまとめになるんだけど、1冊を猛スピードで振り返る簡素にして力強い文によるまとめの章を読んでいると元気が出てくるし、明日へ向かって希望を持ち、数年後に本当に自分のやりたかったこと、なりたいことを「今始めよう」という気にさせてくれる。

本書の手法にならってボクもやりたいことリストを期限付きで書いたけど、その中のひとつに「3年後の4月には自分と嫁さんを守れる程度の護身術を空手で身に付ける」と書いた。

どうやるかは知らん。まだなにもアイデアはない。

でもやれると思う。

1,500円の価値は十分にある本だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?