【アーマード・コア6】エンブレム考察〜ルビコン解放戦線編〜
サイバーパンク2077にかまけて期間が空いてしまったが、ルビコン解放戦線のエンブレム考察をしていきたいと思う。
一応、ネタバレ注意
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ー インデックス・ダナム
モチーフはツルハシ。ツルハシは刃の部分が赤く燃えており、革手袋に握られている。
ルビコン3の自然環境は厳しく、星全体が荒涼とした大地と冷たい海に覆われている。
ただし、グリッドなどのメガストラクチャーや溶鉱炉、兵器工廠などがあることを考えると鉱石の天然資源は豊富にあると思われる。
コーラル産出惑星であることが取り沙汰されがちなルビコン3だが、その主要産業は鉱業なのだろう。
ツルハシはそうした、ルビコニアンの生業である鉱夫の象徴と取れる。
そして、ツルハシに宿る火は、宿願である惑星開放への闘志の火と、恵であるコーラルが燃える火を表しているのだろう。
また、労働者による君主制の打倒で生まれた国の国旗に「鎌と金槌」が使われていたように、ツルハシはルビコンの中でも特に”労働者階級が団結する事”の象徴として図案に取り入れられたのだとも推測できる。
AC名は直訳そのまま「燃えるツルハシ」でエンブレムを表している。
ルビコン解放戦線は大きくドルマヤン派とフラットウェル派の二つに分けられるが、ダナムは完全にドルマヤン過激派で、惑星封鎖機構はおろか星外企業も敵視している。
ダナムに限らず、”グリッド建造の職工”のような危険かつ地位が低い労働者が、ドルマヤン派のボリュームゾーンなのだと思われる。
ゲリラ指導者とあるように、寄せ集めの解放戦線の中では人望もあり、簡単な作戦立案などはダナムが行い現場指揮も行なっているようだ。
ダナムは帥父ドルマヤンが一線を退いてからは、保守タカ派筆頭として活躍しているが、帥叔フラットウェル率いる革新派にその政治地盤を奪われつつある(雰囲気を感じる)。
余談:ダナムが討たれた「多重ダム」は解放戦線のライフラインであり、数少ないACを配備するほどの重要施設だが、”ゲリラ”指導者なのに防衛任務に就かせるのは左官の垣根というものだろう。
もしかしたら、フラットウェルによる保守派掃討のために、ダナムは敢えて死地に送られた可能性も否定できない。
ALTルートでは、そもそも居ないようなので別の場所で闇討ちにあったのかもしれない。
ー リトル・ツィイー
モチーフは鮭(たぶん)。鮭は淡水(川)で生まれて、海水(海)で育つ面白い魚だ。
そして、産卵期に”遡上”と呼ばれる川上りを行い、海から生まれた川に帰ってくる。
エンブレムの波模様は”川”を表しており、前述の鮭と合わせると遡上を行っているシーンのようにも見える。
リトル・ツィイーは乳児の頃に両親と共にルビコン3へ密航し、その際に両親は死亡するもツィイーは解放戦線に拾われたという経歴を持つ。
これを鮭の生態と照らし合わせると、この両親は”元ルビコニアン”だと考えられる。
両親は子供の頃アイビスの火を経験し星外へ脱出していたが、コーラル反応再検出がリークされたことで一山当てようと帰ってきたのだ。
しかし、封鎖システムという激流を越えてルビコン(ルビコン3の元ネタはルビコン川という川)に辿り着いたのはツィイーのみ。
このエンブレムには「生き残った女の子」という武勇伝的な意味合いもあれば、「遡上に成功した鮭は1匹だけ」という彼女に降りかかった悲劇を象徴するものでもあるのだろう。
中国語で鮭は”三文(サーモン)魚”と書くらしいので、彼女が「六文銭」と親交があるのはエンブレムでも示唆されていたようだ(3+6=9)。
漢字表記だと「越魚」。調べた範囲では実在しない魚のようだが、日本では年越しで食べられる魚を”年越魚”と言い、”鮭”と”鰤”が有名だ。
帥叔フラットウェルに保護されたことからフラットウェル派とも取れるが、任務捕虜救出でのドルマヤンに対する態度を見るに、必ずしもフラットウェル絶対とは言えない曖昧な立場であるように見える。
これは、エンブレムにも現れていて、川のような波模様は”帥父ドルマヤン”から、動物をエンブレムに用いるのは”帥叔フラットウェル”から取られていると思われる。
ツィイーもああ見えてまだ若い。
育ての親であろうフラットウェルとは、反抗期真っ只中なのかもしれない。
ー リング・フレディ
モチーフは蝋燭。輪の形をしており、輪の下部からは溶けた蝋が垂れてる。
ダークソウルシリーズが元々「ダークリング」という名前でスタートしようとしていたが、「Dark Ring」が海外で「肛門」のスラングだったためお蔵入りになった話は有名だ。
男娼であるフレディのエンブレムが写真に酷似しているのはお遊びが過ぎているようにも…不覚にも笑ったが。
蝋燭の灯りは仏教、キリスト教でも特別な意味を持ち、共通して「人々の心を照らす光」や「死者を弔う灯り」として用いられている。
フレディのエンブレムが蝋燭なのは、解放戦線で疲弊したドルマヤンを癒す火としての役割を表しているのかもしれない。
直訳すると「蝋燭の輪」だが、エンブレムは複数の蝋燭が輪になっているわけではなく、一個の蝋燭が輪の形をしている。
これはフレディのACパーツを鑑みるとかなり示唆的である。
そもそも、蝋燭には芯があり、その周囲を蝋が固めている。
蝋燭に火がつくのは燃焼する芯(※)があるからであり、蝋だけでは火は起きない。
このキャンドルリングは構造上、長い芯が一周しているようにも見えるが、「芯が内部で”二股”に分かれている」可能性もある。
AC”キャンドルリング”のパーツはエルカノ製であり、ドルマヤン派が多く使うBOWS製パーツではない。
エルカノといえば、フラットウェルと繋がりが強い企業であるため、フレディの”二股疑惑”が浮かび上がる。
フレディはドルマヤンの精神世界を敬愛しているため、その気持ちに嘘偽りはないだろうが、フレディをドルマヤンに送り込んだのはフラットウェルなのかもしれない。
※蝋燭の芯は熱で溶けた液状の蝋を吸い上げて火を保っている。誤解を招く書き方なので補足しておく。
ー ミドル・フラットウェル
モチーフは鳥。羽の大きさからカモメが近いと思うが、嘴はハヤブサのようでもある。
本考察ではカモメを前提として考察していく。
カモメは、ググると「航海」「自由」「独立」を象徴するらしい。
これは、ルビコンの解放を目指す指導者にピッタリのイメージだ。
カモメは水陸空を自由に行き来する鳥であり、これは帥父ドルマヤンが率いる解放戦線の保守派(武力による解放を目指す)に対して、柔軟かつ新しい解放活動を行うフラットウェルというスタンスを表しているのかもしれない。
ここからはちょっと深読みになってしまうが、カモメの語源は幼体の時に体の模様が「籠の目」→「カモメ」と転じたという説がある。
これは、フラットウェルが幼少期に虜囚の身であったことを示唆している。
惑星封鎖機構がルビコン3にやってきた時、アイビスの火を生き残ったルビコニアンを星外へ追放するために逮捕・拘束していたのかもしれない。
フラットウェルも封鎖機構に捕えられていたが、
「そこから脱走し自由を手に入れた」=「純白の翼を手に入れた」
という風に受け取れる。
まさかの日本語。六文銭が日系であることから日本文化が存在することは分かるが、フラットウェルがなぜ日本語を使うのかは謎。
キャプ翼ファンか?
もしくは、フラットウェルが日系人なのかもしれない。平波さん説。
余談:フラットウェルのエンブレムには両側に縦線があり、これは他のエンブレムだとリング・フレディと六文銭しかいない。
リング・フレディの考察でも触れたが、フラットウェルとフレディ、六文銭は”縦で繋がっている”伏線なのかもしれない。
ー サム・ドルマヤン
モチーフは天秤。このエンブレムには天秤が2つあり、右下と左上の”天秤座”の2箇所だ。
ドルマヤンのエンブレムは示唆に富むため、一個一個の描写を丁寧に考察しようと思う。
①天秤
→天秤は、コーラルとの共生と人類の未来を計るドルマヤンのジレンマを表している。
②赤い波線
→赤い波線は、赤いコーラルで作られたルビコン川を表している。
真ん中に横たわる白い三連星の意味はまだよく分からない。
囲碁では”三連星”という打ち方があり、これを特徴とした宇宙流という打ち方が一時期流行ったらしい。戦術としての特徴は”短期決戦”であり長期化すると地の弱さで逆転されがちらしい。ゲリラ戦術を用いる解放戦線と重なる。。
③天秤座
→ちょっと深読みしすぎだが「コーラルのルビコン川(コーラルリリース)を越えると、人間の価値観・尺度(天秤)はより高次へと昇華する、または消え去る(星になる)」という事を示唆しているのかもしれない。
④エンブレム全体の解釈
①が”ドルマヤンの内面”、②と③が”コーラルと人間界”、星の数が”各界の命の数”と捉えると「少数のコーラル(共生したい)と、多数の人間(自分が所属するコミュニティ)を天秤にかけるトロッコ問題に悩むドルマヤン」という解釈が出来る。
本人がかなり高齢なこともあってか、割と耄碌扱いされている気はするが、数十年にわたり誰も聞こえない声を聞いてきたのだから、少しくらいおかしくなってても仕方ない。
AC名をググると以下が出てきた。
愛と豊穣の神の名前で、星を意味するらしい。
たしかにドルマヤン関連には星の意匠が多い。だが、愛と豊穣(?)の女神(???)?
と思っていたら、わーお
アストヒクは、太陽と月とで三位一体として祀られたらしい。
これって、ドルマヤン(人)とセリア(コーラル)を繋ぐ、アストヒク(AC)ってことじゃん。
なんていうのはこじつけ感があるが、まあドルマヤンなのでそこまで病んでそうではある。
もう一点気になるのは「ノアの娘」という記述だが、ドルマヤンはルビコン移民船団の団長の息子なのかもしれない。
人に頼られる立派な父(母)を見て、「俺はあんな風にはなれない」と荒み、気付けばシャブ中のろくでなし。
しかし、大災害とルビコニアンが排斥される惨事を目の当たりにし、放蕩息子が遂に立ち上がる。彼に感化された人々を従え指揮を取る姿は、いつの間にかあの日の父(母)と重なっていた。
(荘王『鳴かず飛ばず』)
なんて。
ー 六文銭
モチーフは六連銭(六文銭)。大きく「忍」の文字もあるが反転している。
まず、六連銭だが”三途の渡賃”として有名だ。
また、真田幸村が有名な真田氏では家紋としては用いられている。
真田氏が六連銭を使った理由は、常に死を覚悟した武士達の不惜身命を表したという説が最も有名である。
六文銭が六連銭(ややこしい)を用いたのも、そういった理由ではなのだろうか?
恐らく違う。
六文銭はその芝居がかった喋り方を”相手の油断を作るため、わざと”やっている節がある。
真田の武士が掲げた六文銭は、それだけで相手に死を恐れない集団だと畏怖させたらしい。
六文銭にとっては、そうした紋を使うのも戦闘を有利に進める”戦略の一つ”に過ぎないのだろう。
次に、反転した忍の文字だが、これはそのまま受け取ると反対の意味で「忍ばない」=「派手にやる」という意味にも受け取れる。たしかに肩武器のミサイルは連鎖爆発して派手だが、あんまり…という感じ。
他の解釈としては、忍を「裏にした」=「裏切った」というものだろうか。
武装にオールマインド製品がある事から、オールマインドの元スパイ説をまことしやかに囁かれている六文銭。
オールマインドの人使いの荒さに疲れ、ツィイーの優しさに癒され…。
まぁ、しかし”第3の説”を唱えるとしたら”スパイである事を隠している説”だろうか。
これは、「忍」なんていう未来では誰も読めない漢字をさらに反転して分からなくしている=忍(スパイ)であることを隠していると解釈した場合だ。
この六文銭、「人情に厚いようなセリフがあること」や「一宿一飯の恩を返すため解放戦線と共にしている」ところを見ると、一見”義理堅い人物”に見える。
が、そんな人間がわざと古風な口調を使って相手を油断させたり、搦手ばかりの武装を使うだろうか!!
「古風な芝居」も「義理人情なセリフ」も、「一宿一飯の恩を返すため敗色濃厚な解放戦線と共にしている」という大きな違和感を隠すためのブラフ!!!
全ての裏にいるのはオールマインド!!!
もしくはフラットウェルが雇った(六文銭のエンブレムにも縦線があり、フラットウェルとフレディとで縦に繋がる)とも考えられる。
養女ツィイーを心配して、彼女が救った独立傭兵を裏で金を渡して雇ったとか(フラットウェル優しい)。
または、ドルマヤン派のスパイや内部工作に雇ったか(フラットウェル非道い)。
六文銭も体裁のために「イッパンセンキン」と宣ってるのだろう。
かもしれない。
エンブレムにもある通り、忍者を意識した”機動力”と”意外性”に特化した機体構成になっている。
鞭がカッコいい。
機体はエルカノパーツなので、やはりフラットウェルの影がちらつく。
また、オールマインドのパーツを持っていることに関しては、六文銭は裏社会の実力者なのでログハントが溜まっていたという説が有力だ。
ー ラスティ
モチーフは狼。ヴェスパー時代からは口輪が外れているのが大きな違いだ。
六文銭とラスティは、正確にはルビコン解放戦線とは違う枠らしく、デカール欄の並び順だと2人は他の解放戦線メンバーと離れた場所にある。
実際、フラットウェルと繋がりがありながらも彼と本気で殺し合ったり、同胞殺しを躊躇わなかったりと独自の目的があるように見える。
神話で狼というと、北欧神話に”フェンリル”という大狼がいる。
フェンリルは、神々によって拘束具を付けられるが、ラグナロクにはその拘束具から解き放たれ、主神オーディンを喰い殺している。
終盤のルビコン3は、まさに地獄絵図が繰り広げられるためラグナロクと言っても差し支えないだろう。
戦友は621との戦闘後、死亡を装い姿を眩まし、ヴェスパー離脱&新型機体をゲット。
ドルマヤン(主神)を殺害し、ルビコン解放戦線を掌握(ルビコン解放戦線は実はドルマヤン派とフラットウェル派で内部分裂寸前だった)。
コーラル争奪戦直後でヴェスパー隊壊滅、戦力減少のアーキバス相手に大立ち回り(アーキバスには高性能機を相手にする余力がない筈)。
惑星封鎖機構はヴェスパー時代に621と共同戦線でボコボコにしているので、モーマンタイ。
実はルビコンはガチで解放直前だったのだ。
有名な「神々の黄昏」が誤訳なのであれば、ルビコンの夜明けとも矛盾しない。
もし黄昏だったとしても「明日を迎えるには、今日を終わらせなければならない」とか戦友ならいいそう。
オルトゥスは「夜明け」という意味だ。
ルビコンの夜明けぜよ
通信記録ではファーロンの技術供与と言われているが、アリーナではアーキバスが取り沙汰されている。たしかにドローンにはアーキバスとベイラムの技術が使われているが、ドローン一個にそんなに目鯨立てるだろうか?立てるか(オールマインドだし)。
ファーロンにはミサイル特化のイメージがあるが、このACにはミサイル系の武装が搭載されていない。
だが、ミサイルのロックオン関連の技術や追尾センサー等はドローンに応用出来る。もしかしたら、アーキバスのドローンは”ファーロンとの共同研究”だったのかもしれない。
となると、オルトゥスの武装開発で、その時の研究データをベイラムに横流ししたと考えられる。
あとは、ファーロンは元々AC製造にも手を出しており、オルトゥスのパーツ設計&製造にはファーロンが関わっている筈だ。
そうでなければ、「ファーロンがいないとオルトゥスが完成しない」なんて事態になりようがないのだ。
恐らく、プレス(鍛造)屋のエルカノは、ボディパーツ設計に関するキーテクノロジー(制御システムなどの中身部分)を有しておらず、元々ACを作っていたファーロンに目をつけ、技術供与を打診した。
対価はコーラルの優先供給だろう。
ファーロンにとっても二大軍需企業を弱体化できるチャンスだったが、かつて木星戦争でベイラム相手にこっぴどくやられた手前、反乱を企てると地球圏のベイラムにけしかけられる。
※詳しくは下記記事を参照。
そこで、曖昧な返事で回答を先延ばしにしつつ、レッドガン部隊壊滅とベイラム撤退でベイラムグループ全体が傾くのを待ったのだろう。
あんまりエンブレム関係なくなってしまったが、以上がルビコン解放戦線のエンブレム考察である。
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まとめ
人数少ないから楽勝だと思ったら、かなりの文量になってしまった。
お付き合いくださり、ありがとうございました。
他にも面白い考察しているので、よければスキ&フォロー頂けると嬉しいです。
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