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和歌山の大島を知っていますか?

このnoteはアジア車いす交流センター(WAFCA)のスタッフが交替で書いていく交換noteです。

本日の担当は恒松 奈於です。

アジア車いす交流センター(WAFCA)は、車いすと教育を通じてアジアの障がいの子どもたちの自立とバリアフリー社会の実現を目指して活動している認定NPO法人です。詳しくはホームページをご覧ください。

WAFCAは車いすと教育支援基金を通じてアジアに暮らす障がい児の自立を支えています
WAFCAは車いすや教育支援基金を通じてアジアに暮らす障がい児の自立を支えています。

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はじめにお知らせがあります。

WAFCAでは、新型コロナウイルス対策緊急支援プロジェクトをスタートし、皆様からのご寄付を募っています。

WAFCAの活動国であるタイ、インドネシアでも、障がい児の家族が失業し収入の道を絶たれてしまうなど厳しい生活を強いられている中、政府による保証はあまり期待できない状況です。

また、障がい児が学校にも特別支援センターにも通えなくなり、家族が自宅で面倒を見る負担が増え親が仕事に行けない子どもは十分なリハビリ訓練が受けられないなど支障が出始めています。

障がいのある子どもたちと家族の生活を支えるため、緊急支援にご協力よろしくお願い申し上げます。

8月31日まで募集しており、目標金額は200万円です。7月15日現在、開始して12日で17万円のご寄付が集まっています。本当にありがとうございます。今後2か月はこのプロジェクトに向けて広報に力を入れていきます。よろしくお願いします!

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へき地・複式教育実習って?

今日は私が大学生の頃経験したちょっと変わった教育実習のお話をしたいと思います!

私が通っていた和歌山大学では「へき地・複式教育実習」という全国でも珍しいホームステイ型の教育実習を春休みに希望者を募って行っています。
和歌山県の様々なへき地の小学校へ1学校、ひとりずつ配属され、2週間の教育実習をします。

和歌山県は土地柄、山あいの集落が多く、複式学級という複数の学年が同時に授業を受けるというスタイルの学校が約25%もあります。

小規模の学校での実践力の向上に加え、その土地に長く住む地域の方々との交流も魅力の1つでした。ホームステイを受けて下さる家庭はどこも温かく、学生に多くの体験をさせてあげようと張り切ってくれます。

山にイノシシ狩りに行って、獲ったイノシシを調理した子や、
毎日川で釣れたカニが晩ご飯に出てくると嘆く子がいたり、、、

へき地・複式教育実習に参加した学生同士で衝撃体験を話しては、励ましあって乗り越えたのがいい思い出です(笑)

私は、和歌山市に住んでいて大学の友達と遊ぶときはだいたい大阪に出かけていました。その度に「あーやっぱり和歌山は田舎やなあ」と感じていましたが、この実習に参加し、2週間田舎を超えたへき地の生活を体験して、市内の便利さに気づきました(笑)


串本町大島って?

私が配属された学校は参加した学生の中でも最も遠い、串本町大島にある大島小学校でした。

本州最南端の島、「潮岬」に橋1本で繋がっています。

下のマップで赤く差しているところです。

どこ???と思った方が多いと思いますが、実はこの大島は、トルコと日本の絆をつないだ場所でもあります。

1890年、 横浜港を出た翌日の9月16日、エルトゥールル号は串本町大島沖を航海していましたが、台風に遭遇、猛烈な波浪と強風のために航行の自由を失い、船甲羅岩礁激突しました。

この遭難に際し、当時の大島島民は不眠不休で生存者の救助、介護、また殉難者の遺体捜索、引き上げにあたり、日本全国からも多くの義金、物資が遭難将士のために寄せられました。

69名の生存者は神戸で治療を受けた後、無事イスタンブールに入港、トルコ国民の心からの感謝に迎えられました。

大島にはトルコ記念館という広い観光地があります。

トルコ記念館

トルコ漆器店

私にとっては、実習中の土日にここのカフェで研究授業の指導案を必死に作成した思い出の場所です。

人口は年々減っているらしく、現在では400人ちょっとです。
が、近代マグロの養殖場がありお刺身は最高!
島の人達も本当に温かい人ばかりです🌼

ぜひ1度行ってみて下さい!


大島小学校での実習生活

大島小学校は私が行った年は全校児童35人で、先生の人数も15名程の小さな小学校です。

島に学校は1つしかないため、子どもたちはスクールバスで登校します。

実習初日、いつものスクールバスに突然知らない女の人が乗ってきて驚いたのか、隣の席の子がずっと気まずそうな顔をしていたのを覚えています。

でも、朝の集会で実習生が来たことを紹介してもらい、悪い人ではないことが分かると、一瞬でヒーローになれました(笑)

島には中学校も高校も、コンビニ、スーパー、病院、飲食店なーんにもないので、「家族と先生以外の人に会えることがうれしいんだと思います」と先生から伺い、同じ日本だとは思えないなと素直に感じました。

実習を担当させてもらったのが2,3年生のクラスだったので、最初の自己紹介はわかりやすい方がいいかなと、自分の詩をみんなに配りました。


次の日に教室に入ると、この詩をみんな覚えてきていて、早口暗唱大会が始まっていました。本当に可愛かったな~❤️

複式の授業は毎回パニックになりながらも、先生と子どもたちに助けられてなんとか乗り切っていました。

2年生に「これ話し合っといてね」と丸投げして、その間に3年生の授業を進めるのですが、1段楽ついて2年生の方に戻ると、もう何の話をしているのか全く分からない・・・という状況に毎回なっていました。 

これを器用にこなしている先生方は本当にすごいなと思います。


6年生の理科の授業で郊外学習について行かせてもらったのも印象的でした!

虫喰い岩

橋杭岩

和深海岸

理科の教科書で見るものを、生で見て、触って学べるって素敵ですよね!


児童の人数が少ないと、学年を超えた縦の繋がりがすごく濃くなります!休憩時間に1年生~6年生全員で遊んだり、掃除の時間は、高学年の子が下の子達に全部指示をして行います。

低学年の頃に、お兄さんお姉さんにしっかり教わるので、学年が上がると自然と下の子の面倒を見るようになるそうです。


へき地・小規模校ならではの魅力は書ききれない程いっぱいありました✨


実習最終日には子どもたちが帰った後、先生みんなでお疲れ様会を開いてくれました。

小規模校の温かさにふれ、こんな学校に赴任するのもいいかな、地元の和歌山市で働きたいという思いも捨て切れない!

と1時間以上親身に相談にのってくださりました。

が、結局気が変わり先生にはなりませんでした(笑)


今はWAFCAで元気に働いています!と大島の皆さんへ連絡したくなりました🌟

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