散髪屋は、すごい

散髪屋はすごい。

ゴールデンウイーク前に、いつものヘアカットに行って、マスターと話をしていた。
マスターは、話がうまい。飲み屋のマスター、マッサージ屋さん、人にサービスをする人は、基本的に話術でかなり勝負が決まる。
今回、予約したタイミングは、奥さんに「だいぶ髪が伸びたね」と言われ、背中を押されるかたちで予約をとった。
仕事が立て込んでいて、急に午後からの仕事の予定がキャンセルになったため、「ダメ元」で電話をすると、「夕方5時からなら空いてますよ」と。
店に行くと、「ちょうど前回から8週間。まあまあ伸びたね」と。毎回、前回からどれぐらいたったかを伝えてくれる。

当日予約を入れる僕のように計画性のない人は、だいたい3割。来た時に次の予約を入れる人が3割。残り4割が、少し手前に予約を入れる人だ。
「女性は2週間ほど前に予約をいれるのが普通だよ」と妻に言われ、男性の計画性のなさにがっくり。

マスターは、小気味よく鋏を動かしながら
散髪屋の閑散期は、2月と秋(9-11月)だそうだ。
冬と夏は、髪の毛の伸びが早いから。
髪の毛は本能的に、脳を守るためにできている。寒い、暑い、と気温のきびしい季節は脳を守るために伸びる。そのため、春と秋、とくに秋は伸びが遅いため、客は減る。
後、2月は寒くて、コロナやインフルエンザも流行っているので、外出のための優先順位が低いヘアカットは、出不精な人たちが行かなくなり、客足は落ちる。
ヘアカットに行く目的によって客の動向は分かれる。「モテたいから」と「髪が伸びてみだしなみが汚くなったから」。

このうち、「髪が伸びて見た目が良くなくなったから」の人のほうが多いそうだ。全体の7割ぐらいかな、と。「おしゃれ」を優先しているのは、3割程度だ、と。一方、女性はヘアサロンに行く目的は、「身だしなみ」。男性はもっと見た目に気を使ったほうがいい!!

ヘアカットは基本的に、「もてたい」。
では、コンパや同窓会など、「もてたい」とき。何かイベントがあるのはどうやってわかるか?
いつもと来訪周期が違うから、だ。毎月1か月に1回来る人が、今回は20日目で来ている。ということは、明日あたりに何かイベントがあるのだな、と。

1か月に1回と決めている人は、だいたい3割。訪れたときに、次の予約をして帰る。
ただ、この人たちは年12回来るかというと、そうでもない。1月15日に来たら、次は2月中に訪問したらいいと考えるため、2月中~下旬になる。その次の予約は、1か月後となるため、3月下旬が具合が悪いと、4月上旬になるときがある。そして4月に訪れたとき、4月は来たから次は5月、となり1回スキップすることになる。
こういった具合で、いつの間にか年10回程度になるのが通常だという。

後は、訪問する理由として、「給料日」がある。基本的に給料日は20日。なので、身持ちがない毎月20日の手前は、客が減る。
だが今年のゴールデンウイーク前の週末、20日、21日は、どうだったか?
すごく忙しかったそうだ。
なぜか?
ゴールデンウイーク前のギリギリは、混むだろう。そして次の週末はゴールデンウイークに入る。だからその前に行ってしまおう、と。そして、ゴールデンウイークのすぐ手前とゴールデンウイーク中は混みあうだろうから先に行こう、と。そういった心理が働いたみたいだ、と。

散髪屋の観察力は、すごい。
まちの情報源になるわけだ!

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