消したくても消せない、ロクでもない録画たち。~1本目~「いやー、もう、キスしたーい」(道端アンジェリカ)

買って10年くらいになるうちのテレビ。
ハードディスク容量がいっぱいになり、
新しく録画しようとするときは
断腸の思いで昔の録画を削除する。
しかし、その中にいつまでも消せない録画がある。
何度削除ボタンに指を伸ばしただろう。でも消せない。
そんな極私的名作番組、
自分一人だけの熱狂をここに記録します。

消したくても消せない、
ロクでもない録画たち。 1本目
「いやー、もう、キスしたーい」
(道端アンジェリカ)


まず1本目に取り上げる番組。
なぜこれを消せないのか自分でも驚きました。

2015年11月3日O.A.
TBS「LAST KISS ~最後にキスするデート~」
<春香クリスティーン×シュネル>

もう7年も前なんですか、ラストキス。面白かったのに。初対面の芸能人2人が1日デートして最後にキスしなければならないという
今ではコンプラ的にどうなんだという番組。
MCはDAIGO。スタジオゲストにおのののか、道端アンジェリカ、MALIA.という当時の恋愛系バラエティとしては最高のメンツです。

春香クリスティーンは当時、テレビの番組か何かで初めてできた恋人に失恋をしたばかりというグッドタイミングでの出演。なかなか攻めた感じです。そしてお相手のシュネルという人は歌手だそうですが、このとき以来見ていません。というか特に調べません。
そんな二人が奥渋でデート。当時は奥渋という言葉も使われ始めたくらいでしょうか。

そもそもなぜこの録画を自分が残しているかと言うと、一時期この回を自分自身のデートの前に観るというとても気持ち悪い行動をしていたためです。そしてなぜこの回かというとですね、春香クリスティーンが極度の人見知りで、非常に私としては共感性が高いんですよ。

ほんま分かるわぁ…

またこれを観てシュネル側にも感情移入ポイントが。それはこの二人の初対面がとにかくひどいもので、シュネルは超体育会系、春クリが超文化系なので「チャラい」と一蹴されてしまうからです。

これまたいいわぁ…

あんなカッコいいシュネルでも嫌われることあるもんな… じゃあ俺も嫌われてもしょうがないなとなるわけですな。
シュネル…どこの誰だか知らんけど、デート前の心のバンドエイド、ありがとう。

そんな実用性の高い?回なのですが、二人は一緒にボルダリングをすることで徐々に距離が近づいていきます。最後は図書館バーに行き、敬語も抜けて完全に意気投合。
そこから品川のふれあい橋まで行ってキスしますが、どうやって移動した?!飲酒luupでもしたん?というよく分からんシュネルのデートプラン…
とにもかくにも二人がキスしたところでVTRは終了。完全にキスだけですまんだろ!という二人の色気のある仕草やトロンとした表情をスローモーションカメラ映像で撮っているため、スタジオゲストの全員が放心状態。
画面にくぎ付け、悲鳴に悲鳴でございます。
「いやー、もう、キスしたーい」とついつい本音が出てしまう道端。翻訳すると高2男子が言う「やりてー」とまったく同じ意味です。
そして「あたしね、旦那さんに告白されたのがスポッチャなんだけどね」と、また高2の恋愛ですか??というくらいのよくわからん話をし出すMALIA.。夫がJリーガーで…というご自慢話はご愛嬌。
それから「おでこにもキスしたのがキュンとした」と言うおのののかに対し「おでキスね」と得意の略語で対抗するDAIGO。
この会話からも分かるように、生身の人間を狂わせる魔性の番組です。

テレビ的な最後のまとめは、失恋後の春クリが「やっぱあたしまた恋したい!」「恋愛に前向きになれました!」というキレイな感じで終わるんですわ。ええ。

何なんだよこれ…ふざけるんじゃないよ。

キスするしないに関わらず、完全にシュネルを好きになった終わり方だったので、ドラマの後の現実に引き戻すようなそんなデトックスマッサージみたいな感想に幻滅です!!

というラストキスを今観る方法は無いので、うちに来て鑑賞会をやるしかないのですが、まあ人生一度は観て損はない回です。
多くの人が放心状態になり
いらんことを口走ってしまうことでしょう。