【恵比寿】LA VEILLE(ラ・ベイエ) / フレンチビストロ

久しぶりに”世界観”があるステキなビストロに出会った。
同僚のエンジニア君が気になってるけどまだ入ったことのないお店がある
とのことだったので、一足先に彼に代わってリサーチ。

なるほど、こじんまりな上に外から中が見えない”入りづらい”パターン。
シャイな同僚君にはハードルが高い。

「お願い、当たってくれ」と思いながらガラス戸をあけると、
10席ほどのオープンキッチン&カウンター席のかわいらしい空間が。

カウンター席は、一席分ずつ皮のランチョンマットと
飲み物用のコースターがセットされている。

ランチメニューはハンバーグが一押しで、
他にもお魚がメインとお肉がメインのメニューがあるみたい。

まずはハンバーグをオーダー。
真面目で寡黙そうなシェフが、ちょっと無理した感じのスマイルで
注文を取ってくれる。

愛想笑いとかしない「男は黙って背中で語る」という雰囲気がぴったりの、このオーナーシェフのご主人が一人でやっているお店らしい。

 注文をとるとあらかじめ冷蔵庫に下ごしらえしてあった
ハンバーグ種を取り出して、こねる&空気を抜く&形を整えていく。

飽きずに見ていられる無駄のないキッチンでの動き。

お鍋にスプーン、包丁からボウルに至るまで、道具が手入れされていて、
さらに料理をするために無駄のない動線に並んでいる。
オーナーシェフの美学が感じとれる。

ハンバーグを焼く時には、低温でゆっくり火を入れて、
何十回もスプーンで温まった油をまわしかける。
温度確認は指でそっと表面を触る。

並行してお皿にご飯と副菜を盛り付けていく。
ご飯もちゃんと型に入れて高さをつける丁寧さ。

ハンバーグも最後の仕上げなのか、
何度も油をまわしかけて温度を確認する。
ようやく完成。

ずっと作る過程を見ていたので、出来上がりがすごくうれしい。
黄色いソースはとうもろこしのピュレソース。

ハンバーグは焼き目は香ばしくて中はお肉が粗め、
だけど柔らかくて口の中で溶けてなくなる。

甘いとうもろこしソースと合うように、
少し胡椒が強めの下味がついている。

なんだか”美人”という表現がぴったりくるおいしさ。

狭い店内なのでカウンターに座って隅々まで見渡せるのだけど、
照明はダウンライトでかわいいすずらん型のランンプシェードだったり、
古いチェストや絵画が置かれていて、アンティークシックでステキな空間。

そこに、”雰囲気・高倉健”な、オーナーシェフ、というバランスの妙が
すごくいい。

食べ終わり会計をお願いすると、
「お昼休み?」と慣れない感じで話しかけてくれる。

「ハンバーグは2週間毎くらいにソースを変えるよ。次はきのこかな。」と最後はもう何言ってるんだか聞こえないような小さい、でもダンディな声で教えてくれた。

 健さん、また来ます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?