ミニサイト作り、最初の一歩を踏み出すために

「サイト作ってみたいと思いつつ、はやウン年」
「具体的には何年くらいなんですか?」
「正確には覚えてないけど・・・10年以上経っちゃったかな」

ミニサイト作り職人を名乗っていることもあり、「自分のサイトを作りたい」という知人から話を聞いたり相談を受けたりすることもある。

サイト作りの悩みで一番多いのは「真剣に作りたいと思っているのに作れないまま時間だけが過ぎてゆく」ということ。そういう状況の場合は、アドバイスする前に状況をヒアリングする。

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・サイトを作ろうと思った最初のきっかけは何だったのか。
・その時にどんなサイトを作ろうと考えていたのか。
・サイト作りのために何か準備したか(本を買う、ドメイン取得など)。
・具体的に制作作業に着手したか。
・どんな時に「サイト作らないとな」と思うのか。
・サイトを作ろう/作らなくちゃと思う一番の理由は何か。
・サイト作りに回せる時間は週にどのくらいあるのか。
・計画しているサイト制作にどのくらい時間かかると思うか。
・サイト作り作業の中で、きっと楽しいと思うところ/自分の得意分野だと思うのはどのあたりか。
・逆にサイト作り作業の中で、しんどくなりそうなところ/自分にとって苦手なものだなと思うのはどのあたりか。

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もちろんこんな質問を矢継ぎ早に繰り出すわけではない。会話の中でにちょいちょい織り込みながらヒアリングを進めていくだけだ。

そのやりとりの中で、ネックになっている部分が見つかる場合もあるが(文章を書くことに苦手意識があるなど)、実際には多くの人が未着手。作りたい気持ちは明確にあり時間もそれなりにはあったけど、「なんとなく先送りしてきちゃった」だけの人が大半だ。そんな場合にはもう少しヒアリングを続行だ。

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・友人・知人で、そのサイトができたら活用してくれる人はいるか。
・サイトを作ったら、どんな人の何の役に立つのか。どんな人に喜んでもらえるのか。
・サイトを作ることで、自分の生活にとってどんな変化があると思うか。どんなメリットがあるのか。
・最初にサイトを作ろうと思ってから長時間が経過してしまっているが、今でもそのサイトを作る意味はあると思うか。作ってみたいか。
・もし明日、知らない誰かが、自分が作ろうと思っていたのとまったく同じテーマ・切り口のサイトを制作して公開して大成功したら・・・どう感じるか。

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「作りたい」「いつか作ろう」と思う気持ちは願望。多くの人は「作りたいと思っているのに作れずにいる自分」に対しもどかしさを口にするが、「作りたい」という願望と「作る」というアクションは全くの別物であり、そこがシームレスに連結していないからと言って自己嫌悪になる必要はない。

「そういうもんですかねえ」
「そういうもんですよ、だって実際そうじゃないですか」
「じゃあどうやったら『作る』というステップにいけるんでしょう・・・」
「決断しちゃえばいいんじゃないですか?『私はこのサイトを作る』って」
「もちろん作りたいですよ、さっきから言ってるじゃないですか」
「さっきから言っているのは『作りたい』だけ。『作る』じゃないです」
「・・・まあ確かに・・・」
「『作りたい』じゃなく『作る』んですよね」
「はい」
「じゃあまずは私に宣言してくださいよ、『このサイトを作ります』って」
「私は絶対にこのサイトを作りた・・・いや、作ります」
「(にやり)言い切りましたね。じゃあ軽く一緒にサイト作り計画立てますか。いつまでに作っちゃいましょうか。次の連休っていつでしたっけ?誕生日でもなんでもいいんですが、区切りになる日ってあります?え、もうすぐ40歳?いいですね~、30代の最後に記念となるサイトを世界に向けて公開しちゃいましょうよ」

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最初の一歩って、そんなに難しく考える必要はないんだと思う。

いくら「作りたい」と思っていても、「作る」という決断をしない限り、サイト作りのステージにはあがれないし、次のステップには進めない。だったら誰かに対して「作る」と宣言をしちゃう。あるいは紙に書いて壁に張り出す。毎日使っている手帳の見開き2ページを「サイト制作進捗記録」に割り当て、その1行目に

2020年8月24日 サイト制作プロジェクト始動

と書き込む。

やり方はなんでもいいので、願望からアクションの段階に一歩踏み出す。そしてまずは仮でいいので「いつまで」というスケジュールを決める。

もちろんこの後も、サイト企画とかタスク管理とか具体的な制作作業など、うまくいかず壁にぶつかることはあるけれど、「いつか自分のサイトを作りたいなあ」と場外で指をくわえていた時代とは全く違う。

時間は有限。

せっかく作りたいという気持ちがあるのなら、一週間でも一日でも早く、一歩前へ。そして自分の中にあるアイディアを、目に見える「サイト」という形にして、世に送り出そう。

それで何かが変わるかもしれないので。


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