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ミニサイトの「ネタ」を見つけよう(1)

氷を触って「冷たい」と思うのは、氷の温度が低いからだけではありません。指先の皮膚に温度の刺激を受けて感じられる表在感覚があるからです。

どんな刺激も、外的要因に加え、受け取る側の感覚・感性がなければ感知されずに終わってしまいます。それは私たちの日常生活も同じこと。

ぐるり周辺を見回してみましょう。身の回りにあるモノ、目に飛び込んでくる街中のポスター、聞こえてくる話声、すれ違った人がかぶっていた暖かそうな帽子。わずか数十秒でもいいので、ちょっと気に留め、それについて考えてみてください。今まで気付いていなかった刺激が脳に送られ、その刺激が、新しい発見・行動へとつながるかもしれません。

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さて今回のテーマは「ネタ探し」。
ミニサイトですから、巨大マグロを一本釣りしようなんて思わなくてもいいのです。以前も書きましたが、自分の足元や、今いる場所から見渡せる範囲内に、きっと様々なネタが転がっているはずです。

・面倒だったことは「ネタ」になる
・「誰かに教えたい!」と思ったことは「ネタ」になる
・何かに新たに挑戦することは「ネタ」になる
・比較検討したことは「ネタ」になる
・見慣れないものがたくさんある場所には「ネタ」がある

面倒だったことは「ネタ」になる

インターネットのおかげで、多くの情報はいとも簡単かつ短時間で調べることができるようになりました。その昔、電車を使っての遠方旅行では、どこで乗換たらいいのか、どのルートが一番早いのか、分厚い時刻表のページをめくりながら真剣に調べたものです。今なら出発地と目的地を入力すれば、駅での乗り換え時間目安まで勘案した最適ルートを所要時間・運賃込みでさくっと提示してくれます。

でもまだまだ、すべての情報がそんな風にさくっと検索できるわけではありません。ネットや本・雑誌などで地道に情報を集め、時に周囲の人に教えてもらい、また電話で企業に問い合わせなどもして事前確認した上でやっと判断を下せるということもあります。

私の場合、2015年に訪れたカリブ海の島・キューバへの旅行準備がそうでした。3週間にわたる個人旅行。日本語のガイドブックとしては「地球の歩き方 キューバ&カリブ海の島々」がありましたが、キューバに関する情報はわずか80ページ。訪問予定の街の中にはほとんど情報掲載されていないところもあり、交通手段や宿泊場所に関する情報も、この一冊ではまったく足りていませんでした。

そんなわけで、ネット上で、英語・スペイン語も使っての検索を繰り返し情報を集めましたが、それなり時間も手間も根気も必要な作業。多忙な人には少々負担が大きな作業かもしれません。

もちろん現地を実際に旅すれば、さらにたくさんの情報が手に入ります。バス停の場所や最新の時刻表情報だって、スマホでパシャリ撮影。事前に調べた情報が実は古いものだったと気付かされたことも多々あります。

それら事前調査&現地で得た情報、私一人が一回の旅行で活用するだけではもったいない。年間どれだけの人がキューバに旅するのかは知りませんが、私が得た情報はきっと、今後キューバを旅する日本人にとってもなにがしかの役には立ちます。

そうして作ったのがこのミニサイト。
同じ内容はKindle本にもして販売しています。

●キューバ旅行情報館
http://www.joho.st/cuba/

旅行に限りません。トラブルに巻き込まれて調べた行政関連の手続き、新しく引っ越してきた街の生活情報などなど、少々面倒でも調べないといけないこと他にもあるでしょう。

旅行前の情報収集の他にも、面倒だったこと・手間だったことはたくさんあると思います。もしタイムマシンがあるなら、過去の私にまとめて教えてあげたいこと、それは格好のミニサイトのネタになります。

過去の困惑していた自分が、そのミニサイト企画を作成する上では格好の「想定ユーザ像」となります。できれば、わからなかったこと、困っていたことなどメモしておくといいでしょう。

「誰かに教えたい!」と思ったことは「ネタ」になる

毎日の生活の中で、目や耳から入ってくる情報量は非常に多いものです。そのほとんどは意識せず受動的に飛び込んでくるものですが、自身のアンテナがそれに反応すると「面白い」「誰かに後でこの話をしよう」と思うでしょう。それはきっと、他の人も新鮮な興味を抱くに違いないと思っているからです。そんな中にも、ミニサイトのテーマとなるネタが潜んでいます。ちょっと考えてみて、ミニサイトのテーマになる可能性があるものなら、手帳やスマホにメモしておきましょう。

やたら「メモ」を勧めていますね、自分(笑)
実際、日常生活の中でのちょっとした出来事って次から次に発生して、意識して記録しないと古いものから順に忘却の彼方へと流されていってしまうもの。

また単体ではそれほどぱっとしなかったものが、他の別ネタと組み合わせることで突如アイディアとして発芽する場合もあります。

ミニサイト本の中では、通勤途中に電車内の吊り広告で「今なぜ?おひとりさまサービス急増中」という雑誌特集見出しを見たという例をとりあげました。

「おひとりさまサービス」を軸に、「ひとりでも気兼ねなく利用できたらいいのに」と常々感じていた場所やサービス、過去に体験したサービスの良かった点・悪かった点、そうしたサービスを求めている人たちの共通点、必要とされるシチュエーション、一人だと割高なもの、利用しにくいサービスなどなど、一歩踏み込んで考えることで、思考も広がります。

そんな中から、ふと「このネタでミニサイトつくってみたい」と思うアイデアが降ってくるかもしれません。最初は受動的な情報でも、そこから派生させて思考を巡らせていった先に、キラリと光る何かが見つかることもあるものです。

少々長くなってしまったので、記事分割しますね。

・何かに新たに挑戦することは「ネタ」になる
・比較検討したことは「ネタ」になる
・見慣れないものがたくさんある場所には「ネタ」がある

●ミニサイトをつくって儲ける法(日本実業出版社)

> 続く

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