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卒業アルバムづくり@おうちフリースクール

今回の記事では、中学生を対象としたおうちフリースクールでぃありすでの卒業アルバムづくりの様子について記録してまいります。
記事の後半部分では、

✔アルバムづくりが円滑に進むワークシート(word)
✔アルバムページの実際の中身(一部ボカシ有)


なども挿入しています。
中学3年生の支援にあたっていらっしゃる先生方の参考にして頂けたら幸いです。

▽おうちフリースクールの卒業イベント

私の運営しているおうちフリースクールでぃありすでは、毎年3学期になると中学3年生の生徒さんを対象として下記のような卒業イベントを用意しています。

✔卒業アルバムづくり
✔英語プレゼンテーション”SHOW&TELL”
✔卒業発表
✔卒業を祝う会

そもそも”フリースクール”という立場として卒業関連のイベントを行う必要があるのか?という点についてはもちろん「必須ではない」というのが回答になります。
わざわざ「卒業」という”さも学校っぽい”ワードを用いたり、義務教育課程を意識した節目をお祝いすることに疑問を抱かれる先生や生徒さんもいらっしゃるかもしれません。
そのあたりについてもまるっと1周考えた末、私のフリースクールでは卒業イベントを実施することに決定しました。

1番の理由は…ハッキリ言ってしまいましょう…教師(スタッフ)側のエゴです!
数年間、長い子ですとまるまる3年間共に過ごしてきた生徒さんの節目を、きちんと形をつくって祝福したいという、いわば親心です。
七五三の記念に綺麗な衣裳を着せて、千歳飴を持たせて記念写真を撮り、しっかりご祈祷して頂くのは、もちろん子ども達本人のためでもあるでしょうが、9割方親の満足のためですよね。
本人もひょっとしたら嬉しいのかもしれませんけれど、写真をバシバシ撮りまくったり、「かわいい」「おめでとう」と一番盛り上がっているのは両親やおじいちゃんおばあちゃんです。アレと似ているのかなと。
自分にとってかわいい存在は、本人が「んなもんいいよ面倒くせぇし…」と冷静であろうと、何が何でも祝いたいという気持ちを大人は抑えることができません。
そういうわけで、私は私の満足のために卒業イベントを催し、優しい生徒さん達が「わたなべ盛り上がってんなぁ」と半笑いで付き合ってくれる、というのがおうちフリースクールでぃありすの卒業イベントの在り様です。

卒業イベントは、副産物的に生徒さんにとっても何かしらの”いいこと”もたらしたように思います。
まず前提として、「卒業イベントやるよ」と告げた時の彼ら彼女らの反応は、意外にも好意的なものでした。
学校に対して比較的好感を持っている子もそうでない子も、やはり何となく「卒業」というワードにはワクワクした気持ちを抱くのかもしれません。

おうちフリースクールでぃありすの生徒さんの9割は、3年生に上がる頃には週に何日か教室や相談室に登校したり、放課後担任の先生と数分面会したり、月に1回校長先生に会いに行ったりと、何らかの形で学校と関わるという形に落ち着いています。

この子達にとっては、フリースクールでの一連の卒業イベントは”学校での卒業イベントの練習”になったようです。
フリースクールで「卒業前にはこんなことをするんだな」とふんわり予習した状態で学校の学活に顔を出し、クラス文集の作成や卒業式練習に参加したりすることができます(そういう理由で、うちのフリースクールの卒業イベントも、何となく”学校っぽい”ことをしています)。
フリースクールの卒業イベントを通して自分なりに「けじめをつける」という意味を考えたのか、当初は「出ることがこわい」と言っていた卒業式本番に「やっぱり出たい」と言って、2月くらいから積極的に学級に入って行った生徒さんもいました。
「卒業式なんか…」という雰囲気だったのに、活動をとおして「お世話になった担任の先生や校長先生にお礼だけでも伝えたほうがいいのではないか?」と思ったようで、卒業式の終わった午後に学校に卒業証書を受け取りに行った子もいました。
もちろん、私は相談には乗りましたが、促しはしていません。
完全に本人の意思です。

一方、学校とほとんど接点を持たずに卒業していく子達にとっては、フリースクールでの卒業イベントこそがその子にとっての本当の”卒業”という節目として記念になったようです。
これはこれで、生徒さん本人にも保護者様にも喜んで頂くことができました。
「学校生活にはいい思い出がなかったけど、でぃありすの友達と先生に出会えて、最高の中学生生活だった」という嬉しいお言葉もありました。
こういう感情が湧き上がってきたのも、小さいながらも”卒業を祝う会”という節目があったからかもしれません。
3年間ほとんど袖を通す事のなかった制服を出してきて「先生と写真を撮りたい」と制服姿を披露してくれた子もいました。

それでは早速、卒業アルバムの制作の流れについて紹介します。

▽手作り卒業アルバムの材料


私のフリースクールでは、おうちフリースクールらしく、生徒さん一人ひとりの個性が出るような手作りの卒業アルバムを作っています。
まずは卒業アルバムの材料から確認していきましょう。

①A4クリアポケットファイル

10ポケットもあれば十分。
1番先頭のページは生徒さんお手製の表紙を挟むので、できればカラーは無色透明、クリアタイプがおすすめです。

②A4紙
中身のページを印刷するのに使います。

③方眼紙

印刷原稿を手書きするときに便利。コピーした時に写らない、薄い方眼のものが良いです。

④A4厚紙

表紙用の厚紙です。下書きを丁寧にする子もいるので、私はケント紙を使用しました。


▽卒業アルバムの中身

おうちフリースクールでぃありすの卒業アルバムのコンテンツは以下のような構成となっています。

▼①表紙

おうちフリースクールらしく、表紙はもちろん生徒さんの手書き(手描き)!
先ほど紹介した厚紙に、生徒さん一人ひとり、思い思いの表紙を作成してもらいます。
ほとんどの生徒さんは「おうちフリースクールでぃありす」と記した下に、好きなキャラクターのイラストや、本格的な絵画を施していました。
中には折り紙をちぎった貼り絵に挑戦する子も!
自分の3年間の歩みを表す漢字1字を習字で書いてきて、大きくバーン!と載せる子もいました(すごくかっこよかったです)。

▼②友達見聞録(個人ページ)


おうちフリースクールでぃありすの卒アルの目玉となるページがこちら、”友達見聞録”です。
要は個人ページにあたるものですが、一般的な学校のアルバムのように小さな個人写真をズラーっと並べるのではなく、生徒さん1人あたりA4×1ページと贅沢に使います。

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