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おうちスクーリングの学籍と出席の扱い

おうちスクーリングのはじめ方マガジン第2回は【おうちスクーリングにおける学籍と出席の扱い】についてお話します。

1.文部科学省による通知

令和2年12月時点で不登校のお子さん、およびおうちスクーリングを望むお子さん、ご家庭におかれましては、「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)令和元年10月25日」をご一読頂き、今後のスクーリング計画を立てて頂ければと思います。

この通知において、文部科学省は不登校児童生徒への支援に対する考えを以下のように記載しています。

不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。

文部科学省は今通知をもって過去に発行した不登校児童生徒に対する対応に関する通知をすべて廃止し、「今後は登校復帰という結果のみを目標としない」という新しい姿勢を提示しました。

このため、この通知は日本の不登校児童生徒への対応の大転換ともいわれました。


2.おうちスクーリングにおける学籍の扱い

おうちスクーリングで学習する場合にも、義務教育期間は、お子さんの学籍の所在はもともと通っていた学校になります。

3.おうちスクーリングにおける要録上の出席の扱い

おうちスクーリングを実践した場合の要録上の出席の扱いについては、文部科学省より下記のようなガイドラインが提示されています。

・不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて

【要旨】

〇我が国の義務教育制度を前提としつつ,一定の要件を満たした上で,自宅において教育委員会,学校,学校外の公的機関又は民間事業者が提供するICT等を活用した学習活動を行った場合,校長は,指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができることとする。

おうちスクーリングの内容を校長先生にきちんとご説明をし、「きちんとした教育が行われている」というご判断を頂ければ、要録上においては、おうちスクーリングに取組んだ日を出席扱いとして頂けることが認められています。

このあたりの扱いについては、フリースクールの要録上の出席扱いととてもよく似ています。

私の運営しているフリースクールにおいても、フリースクールでの学習カリキュラムや指導内容をきちんと校長先生にご説明、ご報告し、ご理解を得られた上で、生徒さんの要録上の出席を認めて頂いています。

この時注意して頂きたいのが、この「要録上」という文言です。

ふつう、出席日数を知らされる書類としては通知表を思い浮かべる方が多くいらっしゃるかと思いますが、実は「通知表上の出席日数」と「要録上の出席日数」は少々扱いが異なります。

通知表上の出席日数とは、あくまでも「児童生徒が学校の敷地内(もしくは教室内)に登校した日数」としてカウントされます。

一方要録というのは「指導要録」の略で、「児童生徒の学習の記録として作成するもの」であり、進学の際には、これの写しが進学先に送付されます。

わかりやすく言えば、通知表の出席=生徒が学校内に存在した日数、要録上の出席=生徒さんが学習に取り組んだ日数の記録という事ができます。

通知表が返ってくる時期になると「通知表の出席がゼロになっている。校長先生、うちの子のフリースクール(またはおうちスクーリング)学習日を出席扱いにしてくれると言っていたのに!」とびっくりされる方がいらっしゃいますが、それは上記のような理由からです。

何かご不安に思われることが出てきたら、その都度学校の先生に連絡を取り合い、確認をしながら進めて頂ければ問題はないかと思います。

以上、今回は制度の観点から「おうちスクーリング実施時の学籍と出席の扱い」についてお話しました。少しお堅いお話になりましたね。

次回は、

それでは、おうちスクーリングでは実際にどのような学習スタイルをとればいいのか?

という具体的なお話をしていきたいと思います。


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