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Kindle版の古典文豪の全集に気をつけよう!~太宰治や芥川、森鴎外など


著作権が切れている古典文学の大半は無料あるいは格安で電子書籍で読めるわけですが、選ぶときに気をつけたい点があります。
相互フォローしていただいている方に文学や映画、その他の芸術に造詣が深く参考になる方がおられて、久しぶりに太宰治を読もうと思い(大半のミドルエイジ以降の方は若い頃にいくつか読んでいるはず)、Kindkeで全集を買いました。これですね。

決定版

決定版だかなんだか知りませんが、収録されている作品数は多いです。しかし、掲載順序がめちゃくちゃで、いきなり「人間失格」「斜陽」などの有名作品を並べて、第二部に比較的知名度の低い作品をなんと「あいうえお順」で掲載しているのです。
全集を本で買えば発表年代順に掲載されているのが常識。頭からすべて読むかどうかは読み手の勝手ですが、どのような作家でもデビュー作から遺作にいたるまでまったく同じような作品が並んでいるはずがないわけで、その時期によって追求するものが異なり、作品のニュアンスも違ってくるのが普通ですから年代順というのは非常に重要です。それなのにアイウエを順に並べて年代順に追えないとはなんたることか!

そこで以前買った森鴎外の全集を確認してみました。これです。


こちらは、年表がついており、年表からクリックで作品に飛べるようになっていました。

年表

さすが筑摩書房版です。当たり前のことを当たり前にやってくれている。
そこで太宰治全集も筑摩書房版を買いました。

太宰治全集

年表がしっかりついておりました。


年表

どちらも200縁程度の値段ですが、結果的に最初に買った太宰治全集は無駄。わたしは芥川全集を現物で持っているので買いませんが、確認してみたらやはり同じで筑摩書房版は年表から追えますが、他はあいうえお順です。

ちくま文庫版

こだわりのない方もいるかもしれませんが、どのような芸術であってもわたしは発表年代というのは極めて重要だと思うので、最初に買ったKindle版のような手抜きは腹立たしく思います。

もしこれから古典文学の文豪の全集でも読んでみようかなと思った方がいたら、よく確認して年表つきでそこからリンクで飛べるようになっているもの(ちくま版だけかな)を買ってください。
例え200円でもチリツモ!
気をつけてください!

という記事でした。

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