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「時代」や「ファイト!」(中島みゆき)は応援歌ではない


中島みゆきが大好きなわたしですが、ネットで好きな歌ランキング見たり、そこに書いてある感想を読んだりするといつも違和感を覚えます。
まずランク上位に必ず上がる「時代」。
もちろん彼女の屈指の名曲ですが、よく人生の応援歌みたいな書かれ方をするんですよね。この曲を聞くと元気が出るみたいな。。
しかしよく歌詞を読んでほしいなと思います。

時代

一見、今日嫌なことがあっても時が経てば笑い話になる、いつかいいことがあるからがんばろう、みたいに読めますね。それなら確かに応援歌です。でも最後の1行。
「生まれ変わってめぐりあうよ」
生まれ変わらなければめぐりあえないんです。つまり今の自分が死んだ後やっとめぐりあえるんです。中島みゆきは「転生」を信じていますし、膨大な楽曲には転生をテーマにした曲がたくさんあります。
2番もそうです。
旅人は倒れますが、生まれ変わって歩き出します。
やはり一度死んでまた生まれてから歩き出すのです。

つまり、現世でつらいことがあってもがんばればきっと良いことあるよ、みたいな安易な応援歌ではないのです。現世では報われません。来世でまた旅を続けるのです。それも倒れればまた生まれ変わって旅を続ける、「命のリレー」という歌があるんですが、まさに転生を繰り返してやっと目標までたどりつける(かもしれない)と言ってます。言い返せば、いくらがんばっても現世ではたどりつけないこともたくさんあると言っているのです。

中島みゆきというひとは、がんばればいいことあるよ!みたいな安易なことは絶対言いません。それがわかって「時代」を応援歌と捉えるならいいんですけどね。どうもそうじゃない気がして。。

「ファイト!」も似たようなものです。
どうも日本語でファイト!というと、「がんばれ!」という意味で使われるみたいですが、英語にはそんな意味はありません。「戦え!」です。

戦え!笑うやつがいても冷たい水の中を震えながら登っていけ!

と言ってます。元気出せと慰めているわけじゃない。目的に対して死んでもいいという気持ちで戦え!と言っているのです。それで必ずしも報われるわけではない、というのは前述の時代を読めばわかりますよね。

「ファイト!」もそういう意味を理解したうえで応援歌と捉えるなら良いのですが、どうも安易な人生応援歌みたいに言われがちなので違和感があるんですよね。

歌詞の解釈は受け取る側の自由ですからいいのですが、気になるので記事にしました。

それではまた!

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