[勝手に芥川研究#2]泉鏡花を読もう!~泉鏡花と芥川
芥川の通夜では、先輩総代として泉鏡花が、友人総代として菊池寛が弔辞を述べています。盟友だった菊池寛の弔辞も素晴らしいですが、泉鏡花のそれは極めて美しく慈愛に満ちていて感動します。
芥川は、作家になる以前、鴎外や漱石はもちろんですが、それ以上に泉鏡花を愛読していました。初めて小説らしい小説を読んだのは泉鏡花の「化銀杏」だと述べています。
そして、一九二五年から谷崎潤一郎ら六名とともに「鏡花全集」全一五巻の編集委員となります。泉鏡花と芥川の交流は実質この全集をきっかけとして始まりましたが、芥川は全集の広告である「鏡花全集目録開口」で以下のように書いて絶賛しています。
これを読んだ泉鏡花は感謝の手紙を芥川に送り、芥川は以下のように返答しています。
これがきっかけで二人の交流は深くなり、当時河童の絵を描いたり、頭の中は河童だらけだった芥川と泉鏡花大先生の間で河童の話が盛んにやりとりされたというからぜひ知りたいのですがそのあたりの文献は見つけることができませんでした。
ただ、この鏡花全集の最終巻(一五巻)が発売されてまもなく芥川は亡くなります。そして泉鏡花は通夜で冒頭で紹介した弔辞を読みます。
通夜が行われた芥川の書斎の火鉢のそばには、発売されたばかりの泉鏡花の最終巻が置かれていて、それを見た彼の心中はいかばかりだったでしょう。
泉鏡花の
詳しくは、こちらを御覧ください。
さて、そんな泉鏡花ですが、実はわたしは全然読んでいません。
鴎外や漱石はそれなりに読んでいるのに、なぜ?と思わずにいられません。
本来わたしは江戸川乱歩を筆頭として、彼に憧れた夢野久作や外国ではポーなど幻想小説が好きなので、純文学の古典では泉鏡花を真っ先に読むべきだったのです。それがなぜか一作も読んでいない。。
「夜行巡査」「外科室」、、表題を見ただけで、読みたくなるじゃありませんか!
確かに弔辞を読んでわかるとおり泉鏡花は江戸古典調で文章的には難解な部類に入ります。読みやすさでは漱石>鴎外>鏡花だと思うので、敷居は高いかもしれませんが、幻想文学好きとしては放っておけませぬ。ましてや芥川が大好きだったわけですから、読まずにはいられませぬ。
ということで泉鏡花の幻想小説を読もう!
ということでこの記事を締めたいと思います。
また読みたい本が増えますね!
それではまた!
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