[クラシックロック] カルメンマキ&OZの3枚の珠玉アルバム
カルメンマキ&OZは、復活ライブ等を除いて、1970年代後半に活動した日本のプログレッシブロックバンドです。そのサウンドは、洋楽プログレ小僧だったぼくを魅了するもので、ヘヴィーな曲と静かな曲の対照は全盛期のキング・クリムゾンを彷彿とさせました。
特にカルメンマキのパワーボーカルは、きれいに歌い上げる女性ボーカルが多い中極めて貴重で、彼女のボーカルなくしてこのバンドの存在はないでしょう。別の記事でも書いたと思いますが、近年のJPOPをたまに聞いても、皆歌がうまいし作曲作詞も素晴らしいのですが、声質や歌唱法がどれも似ていて個人的にはもったいないなと思います。
かつて長渕剛が自分の声が嫌いだといってウォッカでうがいをして声を潰したという話がありますね。ぼくは初期の長渕剛が好きですからこのあたりは好みなのですが、自分の声に対する強いこだわりはさすが長渕剛だなあと思います。
話をマキ&OZに戻します。このバンドはライブやベストを除けば、3枚のアルバムしか出していません。しかし、そのいずれも名盤です。
カルメン・マキ & OZ
デビューアルバムです。オープニングの「六月の歌」からして衝撃的です。静かなイントロからヘヴィーなサビとパワーボーカル。マキ&OZの音楽はこれだ!と言わんばかりの曲ですね。
午前一時のスケッチこのアルバムで一番好きな曲です。
有名な「私は風」がラストですが、ぼくには冗長に聞こえました。ファーストアルバムなので試し打ちみたいなのところは否めないのでまとまりには欠けますが傑作だと思います。
閉ざされた町
二枚目のアルバムで、サウンド的に最もヘヴィーでプログレ色の強いアルバム。特に「閉ざされた街」は10分の大作で、キング・クリムゾンを思わせる不気味なテイストの作品です。この曲も好きですが、ぼくが一番好きな曲は「崩壊の前日」です。
これはライブの映像。
一曲一曲が長めでプログレ色が強いアルバムですが、前作よりはまとまり感があり、当時一番好きだったアルバムです。確かNHKでライブが放送されたはず。
III
マキ&OZ最後のスタジオアルバムです。当時の評価としては1,2ほど高くなかったし、ブームも去りつつある感じでした。ぼくも当時はあまり熱心に聞かなかったように思います。しかし、後で聞くとこのアルバムが一番好きになりました。前二作よりもポップな仕上がりになっており、プログレ色が薄れ、一曲一曲の長さもちょうど良い長さになり、聞きやすくなっています。ハードロックとしてのマキ&OZが好きならこのアルバムが一番ではないでしょうか。全体のクオリティも高いし隠れた名盤だと思います。
OPに南海航路。これを聞くだけで前二作と違うことがわかります。名曲です。
「26の時」はライブでどうぞ。
他にも大好きな「空へ」という曲がこのアルバムには収録されています。もっと評価されていいいアルバムだと思います。
ちなみにカルメン・マキは、Charが歌謡曲ロックでいっときブームになったものの、ブームが去り、本来のロックギタリストとしてのアイデンティティーを取り戻そうともがき苦しんでいたときセッションギタリストとして呼んで手を差し伸べた人です。NSPの天野滋とともに、Charの恩人ですね。
1970年代後半の邦楽ロックを席巻したマキ&OZの紹介でした。
それではまた!
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