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【令和4年最新版】オーディオにおける電源ノイズのブレイクスルー:総費用約4万円(マイ電柱不要)

マイ電柱は好きですが、4万円未満で解決しましょう

前回の記事-【令和4年最新版】激安・超高音質オーディオ事始め-では「音源」と「再生機器」の2要素で激安超高音質オーディオシステムが構築できることをお伝えしました。
その記事中でも紹介しておりますが、さらに高音質を目指す上で欠かせない2つの要素「電源」「再生ソフト」のうち、様々な議論を経て高価格化が進みまくっている「電源」に関して、この記事では「ブレイクスルー」とも言える低ノイズシステムをお伝えいたします。
前回の記事にてお伝えした「再生機器」とも密接に関わってきますので、まだ前回の記事を読んでない方はこの機会に是非ご一読いただけますと幸いです。

電源問題

オーディオ好きの方なら常識ではありますが、改めてオーディオにおける電源問題をおさらいしておきましょう。
前回の記事の冒頭でも記載しましたがピュアオーディオにの世界では「マイ電柱」が市民権を得ています。いや、ホントなんですよ。
なぜかと言えば、それは「電化製品はノイズ」を発し、そのノイズは「電源ケーブルとコンセントを伝って伝播」するのが宿命であり、ピュアオーディオはその「電源ノイズ」をどこまで少なくできるかが一つの目標でもあるからです。「ノイズが音を悪くする」は、この世界の圧倒的な正義ですからね。(この正義が正しいかどうかは個人の判断にお任せします)。「なぜノイズを発生するのか」「なぜ伝播するのか」は詳しい記事に委ねるとして、ノイズを低減する策は次のようになるかと思います。

ノイズ対策

では具体的なノイズ対策とはどのようなものなのか。数多くの商品と考え方がありますが、ここでは根本的な2つの対策に絞ってお伝えいたします。

ノイズを除去する

まず1つ目は「ノイズがあるのは認める。ではそれを除去、あるいは限りなく少なくしよう」という対策です。
この対策の中にも複数の手法がありますが、代表的な例を挙げると
・ノイズフィルターを導入する
・ノイズに強い機材を導入する

の2つに分類されてきます。それぞれ具体例を挙げると、

ノイズフィルター:
フェライトコアを用いる
ノイズフィルター付き電源タップを用いる

ノイズに強い機材:
コンセントを変える
電源ケーブルを変える

などがあります。
前述した通り「電化製品はノイズを発生させる」ため、その電化製品が相互に接続されている「電源ケーブル」「電源タップ」「コンセント」に対策を施すというのが「ノイズを除去する」の主な対策です。
1つ100円に満たないフェライトコアから、1mあたり10万円を超える電源ケーブルまで、それはもう夢の世界の対策です。お金に余裕があれば是非チャレンジしてみてください。

ノイズを発生する機器を接続しない

ノイズ対策の2つ目は「ノイズを発生する機器を接続しない」です。ここで是非とも認識しておいていただきたいのは、「ノイズを発生する電化製品はオーディオ機器だけではない」という点と、「あなたの家の電化製品だけではない」という点です。はい、大げさになってきましたね。
冒頭よりご紹介している「マイ電柱」ですが、これは実は戸建ての各家に個別の電柱を用意するということではなく「オーディオ製品だけを接続するための電柱(トランス)」を用意するということなのです。そう、「マイ電柱」は「ノイズを発生する機器をオーディオ機器と電気的に接続しない」ための対策なのです。
家庭内でノイズを発生する代表例といえば「ドライヤー」や「冷蔵庫」「エアコン」ですが、実は全ての電化製品がノイズを発生させ、それが電源ケーブルを伝いコンセントを通して家庭内、あるいは電柱の上に設置されている「トランス」に接続されている全ての家屋に伝播しているのです。
集合住宅であれば、簡単に言うと「マンション内全ての家電がノイズ発生機」なのです。戸建てにしろマンションにしろ、自宅だけで終わらないのが困りもの。
「それならばオーディオ機器専用のトランスから電源を取れば解決じゃないか!」この素敵な思考がマイ電柱なのです。夢がありますね。マイ電柱大好きです。でもちょっとお値段もハードルも高すぎるのが悩みどころ。

諦めたらそこで試合終了

では「ノイズを発生する機器を接続しない」は諦めなければならないのか?
そうではありません。発想を根本から変えましょう。これこそが「ブレイクスルー」です。ではどのような発想が必要なのか、それは「オーディオ機器をコンセントに繋がない」です。

オーディオ機器のための電源

オーディオ機器は電化製品、コンセントに繋がないと動かないではないか」そんなお叱りの声がすぐにでも聞こえてきますが、ではここで前回の記事を思い出してください。
前回の記事で重要とした高音質を再生するにあたって必要な機器は、実は2つ(合計3台)しかありません。それは「ZEN DAC」と「ADAM AUDIO の T5V(左右で2台)」 。(PCを入れると4台になってしまいますが、ここでは考慮しなくて良いことを後ほどご説明いたします。)
そしてこの「ZEN DACはUSBバスパワーで駆動でき、またADAM AUDIO の T5Vも最高出力ですら2台合計で140W 。このスピーカーを最高出力で視聴するなんて鼓膜を破壊する以外の目的が見当たらないですし、実際のニアフィールド視聴に於いては2台合計で10Wにも満たないでしょう。そう、システムトータルでも20W未満になるのです。
そう、20Wの出力さえ得らればこのオーディオ機器、いや、オーディオシステムは稼働するのです。ここでカンの良い方ならもうゴールは見えてきたでしょう。20Wを出力できる電源さえ用意できればいいのだ、と。

ポータブル電源が全てを変える

答えを述べれば、それは「ZEN DAC」と「ADAM AUDIO の T5V(左右で2台)」をポータブル電源に接続し電源を供給すれば良いのです。
そして実際わたしはその環境で毎日駆動しています。一切の不都合がありません。(追記すれば、次回の記事でもご説明する再生ソフト「roon」のために、その他の機材もポータブル電源で駆動しています)

ポータブル電源で駆動する際のポイント

わたしが使っているポータブル電源は「Power Arq」シリーズ。
選択した理由はデザインだったのですが、オーディオ機器を接続するにあたっては以下のポイントが重要かと思います。
・DC出力にシガーソケットがあること
・AC出力は正弦波であること
どの機器をどこに接続し、なぜ上記のポイントが重要なのかを記載します。

DC出力:
ZEN DACを接続
・シガーソケットにAnkerのPD及びQC対応USB給電機を装着
・ZEN DACにはUSB-Aより接続、次回記事のZEN StreamはUSB-Cに接続
過剰な電力や電流をAnkerのアダプタで制御する
・USB(AとC)から5.5mmのDCコネクタになるケーブルを探そう(対応アンペアに気をつけて)

AC出力:
ADAM AUDIO T5Vを接続
・アースを含んだ3P端子である
・正弦波が必須なのかは不明だが正弦波であれば家電は動く

ポータブル電源導入による効果

ここまで「電源ノイズ対策」として書いてきたわけですが、その効果はあるのか?という皆さんの疑問に対しての回答は以下の2点になるかと思います。
1・スピーカーのホワイトノイズは劇的に減少した
2・音質が向上したのかはわからない

1に関してはスピーカーへの影響の尺度になるかと思います。
検証方法は集合住宅内で最もノイズが高い午前8時前後と午後7時前後、逆に最も少ないとされる午前2時から午前4時においてスピーカーの電源を「コンセントから供給」と「ポータブル電源から供給」でホワイトノイズを比較しました。
その結果、コンセントからの最小ノイズであった午前3時と比較しても、ポータブル電源接続でのホワイトノイズは体感で1/4程度、最大であった午後7時前後と比較すると1/10といったも過言ではありませんが、ノイズを録音しデータとして比較しているわけではありませんので、個人の感想としてご認識ください。

また2に関しては、個人的には音質的に「クリアさが増した」と感じています。しかしながら、こと音質に関しては「個人の主観」であり「体調」や「気分」、そして「気温」や「気圧」でも差分が出るものです。そして一番やっかいなのは「良くなったはず」という印象。
これら全ての要素をデータ化して比較して初めて検証が可能となりますが、わたし個人の意見としては「自分が良いと思えばそれで良い」です。
ですので、「AC電源からのノイズが悪さをしているのではないか」という疑念が払拭できているだけで十分と思っております。

なお「PCはポータブル電源に接続しなくて良いのか」という疑問点に関しては考慮不要と考えています。なぜならPCとZEN DACの接続はUSBのみであり、音質に悪影響を与えると言われている「USBのバスパワー」に関しては、ZEN DACは外部電源(今回で言うとポータブル電源からのDC電力供給)がある場合にはUSBのバスパワー回路を用いていないからです。

繰り返しとなりますが、スピーカーのホワイトノイズに関しては劇的な変化がありましたことはお伝えしておきます。

ポータブル電源はブレイクスルーというにはコスパが悪くないか

先ほど「自分が良いと思えばそれで良い」と書きましたが、冒頭でも紹介した通り、電源問題はまさに沼とも言える「どこがゴールかわからない」ものの一つです。
今回ご紹介している最小構成であるZEN DACにおいては、メーカー公式で低ノイズを謳っているACアダプター、iPowerは1.1万円であり、またアクティブ・スピーカーの電源ケーブルと電源タップをオーディオグレードにすると、合計で3万円では収まらないと思います。これだけで合計約4万円。
Power Arq」で一番安いminiは3.5万円。効果がどこまであるのかわからないAC電源系に繰り返し投資するよりは、AC電源のノイズを原理的に無くしているシステムへの3.5万円は、まさにブレイクスルーと言えるのでは無いでしょうか。

なおわたしの環境(毎日1~3時間程度の音楽鑑賞)であれば、ポータブル電源への充電は多くても2週間に1度程度であり、またその充電もポータブル電源用のソーラーパネルで行っていることをお伝えするとともに、あまり無いとは思いますがこのシステムはどこでも持ち運び可能であり、極論を言うと「無音の雪原」にシステムを構築することも可能です。
この夢を獲得するだけでも十分にコスパは高いのではないでしょうか。

まとめ

・ポータブル電源の活用でコンセントからのノイズを完全遮断
・ポータブル電源からの出力はUSB給電機でコントロール

みなさんが電源問題の沼から抜け出せますように!
そして次はいよいよ本丸の再生ソフト「roon」です。
音楽鑑賞の世界が劇的に変わります!お楽しみに。

長い記事にお付き合いいただきありがとうございました。


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