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3、共鳴した言葉 「バイアスを乗り越え、複数の地図を持て」 #アートサイエンス

非常にしびれる本に出会いました。写真は、本を読んだその後に科学未来博物館に行ったときに我が子らの背中をみていて、思わず撮ったもの。

「ART SCIENCE IS.アートサイエンスが導く世界の変容」塚田有那
単行本: 168ページ
出版社: ビー・エヌ・エヌ新社 (2018/8/24)

本書は、アートとサイエンス、その両者を行き来し、どちらにも属しつついずれにも収まりきらない活動を続ける先駆者たちの取り組みと声をまとめた、このシーンの全体像と最前線を展望できる一冊です。メディアアート、バイオテクノロジー、人工知能/人工生命、ロボティクス、VR/ARなど注目すべき作品を紹介しながら、実践者たちのクリティカルな視点を編むことで、アートサイエンスの意義と可能性に迫ります。

アートサイエンスとは、社会のあり方や私たち人間の認識を変容させる運動そのものであると言えます。世界の不確実性がますます高まる現在、手垢のついた「未来」を突破し、その先のまだ見ぬユートピアを探求しようとするすべての人にお届けします。

特にグサリと刺さったのはこの部分。
「アートと、サイエンスという境界、バイアス(偏見)を越え、それぞれの「世界の見取り図」を持ちより、(略)、重要なのは、想像力をフル稼働し、種類の異なる地図を重ねて見通してみることだ。(P11)」

引用したい箇所は、twitterに続きます。

これって、医師や看護師、リハビリテーション職や薬剤師、介護士、などで成立してしまっている、今の医療介護福祉業界にも置き換えられるな、と思います。
何が言いたいかというと、私たちは意識・知識・技術を横断し、問題を提起したり、問題を解決したり出来ているだろうか?を痛烈に突きつけられたなと思ったからです。

本文に出てくるアートサイエンスの事例は非常に変化に富んでいて、分かりやすいアウトプットもあり、なかなかこれを医療介護福祉業界に置き換えることはあまりイメージできないかもしれません。

でもですね、ここです。2つのtwitterに続けます。

人を相手にするこの業界もまた、保障もなく成果も見えにくい部分もある、とても不確かなものであること。そこで業種や業界を横断し、それぞれの視点を重ねて見る作業によって生まれる可能性が無限にあること。

今まで見落としてきたものの大部分が、アートや音楽の中に回収されているかもしれない。

今進めている福祉環境の設計では、介護士ではなく、音楽家や画家、テクノロジーを得意とする方が介護の現場に居ながら、それぞれの持っている技術なり、経験なりを活かしてもらえるように設計、準備を進めています。介護の現場ではなく、文化の拠点となるように。そうして新しい人の流れを創っていきたいと思っています。

「ART SCIENCE IS.アートサイエンスが導く世界の変容」、どの業界にいる方も多くの気づきとあせりを得られるはず。オススメです。


藤岡聡子
株式会社ReDo 代表取締役/福祉環境設計士
info(@)redo.co.jp
http://redo.co.jp/

私、藤岡聡子については、下記記事を読んでみてください。
・灯台もと暮らし
【子育てと仕事を学ぶ #1 】藤岡聡子「いろんなことを手放すと、生死と向き合う勇気と覚悟がわいてきた
月刊ソトコト 巻頭インタビュー
・soar
「私、生ききった!」と思える場所を作りたかった。多世代で暮らしの知恵を学び合う豊島区の「長崎二丁目家庭科室」

おまけに:
読み物:人の流れを再構築する、小さな実践について|藤岡聡子
人の流れはどのようにして新しく、懐かしく再構築できるのだろうか?その大きな問いに対して、小さな実践を綴っているマガジンもあります(本音たっぷりで書いています。)